旅客機パイロットと客室乗務員のがん関連死亡リスク(アメリカの疫学データ)
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

JAMA Internal Medicine誌に、
2026年8月17日付で掲載された、
旅客機のパイロットと乗務員のがんリスクについてのレターです。
旅客機は地上10キロくらいの高度を飛行するため、
飛行中は宇宙からの放射線の影響を受け、
地上にいるよりも強い放射線の被ばくを受けます。
ただ、その被ばく量は計算上は軽微なものなので、
少なくとも年に何度か海外に仕事や旅行で行く、
という程度で健康上の問題が生じる訳ではありません。
それでは、職業として旅客業務に従事している、
旅客機のパイロットや客室乗務員はどうでしょうか?
フライトを繰り返すことで被ばく量の影響は相対的に大きなものとなり、
それが病気のリスクなどに影響を与える可能性は否定出来ません。
問題の1つは放射線の被ばくに関連するがんのリスクで、
これは低線量の被ばくであっても、
僅かなリスク増加は計算上はありますから、
それが旅客業の従事者の健康状態に、
影響を与える可能性は確率的にはあり得ます。
実際はどうなのでしょうか?
こうした場合最も実際的な指標は、
放射線に関連するがんによる死亡のリスクが、
日常生活において、
殆ど放射線被ばくの影響を受けない人と比較して、
増加しているかどうかですが、
この点に関しては、
あまり精度の高いデータがこれまでありませんでした。
そこで今回の研究ではアメリカにおいて、
503の職種別の12710517人の死亡者の死亡原因を解析しています。
その中には14180名のパイロットと、
7170名の客室乗務員が含まれています。
ここで他の職種の死亡者と比較したところ、
パイロットは放射線関連のがんで死亡するリスクが
1.36倍(95%CI:1.28から1.45)、
客室乗務員は放射線関連のがんで死亡するリスクが
1.50倍(95%CI:1.38から1.63)、
それぞれ有意に増加していました。
この場合の放射線関連のがんとは、
乳がん、中枢神経由来のがん、多発性骨髄腫、白血病、リンパ腫、
前立腺がん、メラノーマ、メラノーマ以外の皮膚がんで、
肺がんは喫煙の影響が大きいことから除外されています。
上記以外の放射線との関連が薄いがんでは、
こうしたパイロットや客室乗務員の死亡リスク増加は、
明瞭ではなく、
航空会社でも整備士など、
フライトをしない職種ではそうしたリスク増加は見られませんでした。
このように、
頻繁に飛行機でのフライトの業務に従事している、
パイロットや客室乗務員は、
その放射線被ばく量の増加に伴い、
放射線関連のがんによる死亡リスクが、
今回の大規模な検証でも明確に高いことが確認されました。
しかし、上記論文においては、
放射線技師など他の放射線被ばくのリスクが高い職種と比較して、
アメリカでは線量測定が義務化されていないなど、
その管理体制には不備があり、
改善される必要があると指摘されています。
折しも2026年8月27付の報道では、
フランスの航空会社の元客室乗務員の女性が乳がんとなり、
それが初めて職業病と裁判所で認定された、
という記事がありました。
こうした問題は、
今後日本においても注目される可能性がありそうです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
JAMA Internal Medicine誌に、
2026年8月17日付で掲載された、
旅客機のパイロットと乗務員のがんリスクについてのレターです。
旅客機は地上10キロくらいの高度を飛行するため、
飛行中は宇宙からの放射線の影響を受け、
地上にいるよりも強い放射線の被ばくを受けます。
ただ、その被ばく量は計算上は軽微なものなので、
少なくとも年に何度か海外に仕事や旅行で行く、
という程度で健康上の問題が生じる訳ではありません。
それでは、職業として旅客業務に従事している、
旅客機のパイロットや客室乗務員はどうでしょうか?
フライトを繰り返すことで被ばく量の影響は相対的に大きなものとなり、
それが病気のリスクなどに影響を与える可能性は否定出来ません。
問題の1つは放射線の被ばくに関連するがんのリスクで、
これは低線量の被ばくであっても、
僅かなリスク増加は計算上はありますから、
それが旅客業の従事者の健康状態に、
影響を与える可能性は確率的にはあり得ます。
実際はどうなのでしょうか?
こうした場合最も実際的な指標は、
放射線に関連するがんによる死亡のリスクが、
日常生活において、
殆ど放射線被ばくの影響を受けない人と比較して、
増加しているかどうかですが、
この点に関しては、
あまり精度の高いデータがこれまでありませんでした。
そこで今回の研究ではアメリカにおいて、
503の職種別の12710517人の死亡者の死亡原因を解析しています。
その中には14180名のパイロットと、
7170名の客室乗務員が含まれています。
ここで他の職種の死亡者と比較したところ、
パイロットは放射線関連のがんで死亡するリスクが
1.36倍(95%CI:1.28から1.45)、
客室乗務員は放射線関連のがんで死亡するリスクが
1.50倍(95%CI:1.38から1.63)、
それぞれ有意に増加していました。
この場合の放射線関連のがんとは、
乳がん、中枢神経由来のがん、多発性骨髄腫、白血病、リンパ腫、
前立腺がん、メラノーマ、メラノーマ以外の皮膚がんで、
肺がんは喫煙の影響が大きいことから除外されています。
上記以外の放射線との関連が薄いがんでは、
こうしたパイロットや客室乗務員の死亡リスク増加は、
明瞭ではなく、
航空会社でも整備士など、
フライトをしない職種ではそうしたリスク増加は見られませんでした。
このように、
頻繁に飛行機でのフライトの業務に従事している、
パイロットや客室乗務員は、
その放射線被ばく量の増加に伴い、
放射線関連のがんによる死亡リスクが、
今回の大規模な検証でも明確に高いことが確認されました。
しかし、上記論文においては、
放射線技師など他の放射線被ばくのリスクが高い職種と比較して、
アメリカでは線量測定が義務化されていないなど、
その管理体制には不備があり、
改善される必要があると指摘されています。
折しも2026年8月27付の報道では、
フランスの航空会社の元客室乗務員の女性が乳がんとなり、
それが初めて職業病と裁判所で認定された、
という記事がありました。
こうした問題は、
今後日本においても注目される可能性がありそうです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
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