アトピー性皮膚炎と帯状疱疹との関連(2026年イギリスの疫学データ)
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

Journal der Deutschen Dermatologischen Gesellschaft誌に、
2026年8月5日付で掲載された、
アトピー性皮膚炎と帯状疱疹との関係についての論文です。
アトピー性皮膚炎は、
皮膚のバリア機能の低下やアレルギー素因などが、
複合的に作用して起こる慢性の湿疹で、
通常お子さんに多く、
強いかゆみを伴った湿疹が、
関節の内側などを中心に持続し、
それを搔き壊すことにより全身に広がります。
上記文献の記載では、
ヨーロッパの成人の4.4%が発症していると推計されています。
日本では20代から30代では、
10%以上が発症しているというデータがあります。
いずれにしても非常に頻度の高い皮膚炎です。
アトピー性皮膚炎では皮膚の免疫の異常を伴うため、
他の感染症などの病気のリスクも、
高まることが報告されています。
そのうちの1つが、
帯状疱疹のリスク増加です。
帯状疱疹は、
水ぼうそうに罹った人がなる、
痛みを伴う帯状の湿疹が特徴の病気で、
免疫の状態が低下した時に、
発症しやすいと考えられています。
これまでにアトピー性皮膚炎で治療中の患者さんでは、
帯状疱疹の発症が増えることが報告されています。
ただ、
アトピー性皮膚炎では、
通常ステロイド剤や免疫抑制剤などが使用されているので、
治療薬剤の影響で、
免疫が抑制され、
それが帯状疱疹の発症に繋がっている、
という可能性が否定出来ません。
そこで今回の研究では、
イギリスの大規模なプライマリケアのデータを活用して、
治療薬剤の種類などを含む、
アトピー性皮膚炎と帯状疱疹との関連を、
多角的に検証しています。
アトピー性皮膚炎の患者2445090名と、
アトピー性皮膚炎のない、
トータル11636684名が、
解析の対象となっています。
解析の結果、
アトピー性皮膚炎の患者さんは、
皮膚炎のない場合と比較して、
帯状疱疹に罹患するリスクが、
トータルで1.28倍(95%CI:1.27から1.29)
有意に増加していました。
ここで患者さんの免疫に影響が大きいと想定される、
飲み薬のステロイド剤の使用や、
全身的な免疫抑制剤の使用と、
帯状疱疹リスクとの関係を検証したところ、
その使用は帯状疱疹リスクに、
殆ど影響を及ぼしていませんでした。
一方でアトピー性皮膚炎の重症度と、
帯状疱疹リスクとの関連をみたところ、
軽症では帯状疱疹リスクの増加は、
1.22倍(95%CI:1.20から1.23)であったのに対して、
重症の患者では、
2.33倍(95%CI:2.22から2.45)とよりリスクは増加していました。
このように、
アトピー性皮膚炎においては、
その治療の有無に関わらず、
帯状疱疹のリスクは増加していて、
今後そうした患者さんには、
積極的にワクチン接種を勧めるべきかなど、
その予防について議論を進める必要がありそうです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
Journal der Deutschen Dermatologischen Gesellschaft誌に、
2026年8月5日付で掲載された、
アトピー性皮膚炎と帯状疱疹との関係についての論文です。
アトピー性皮膚炎は、
皮膚のバリア機能の低下やアレルギー素因などが、
複合的に作用して起こる慢性の湿疹で、
通常お子さんに多く、
強いかゆみを伴った湿疹が、
関節の内側などを中心に持続し、
それを搔き壊すことにより全身に広がります。
上記文献の記載では、
ヨーロッパの成人の4.4%が発症していると推計されています。
日本では20代から30代では、
10%以上が発症しているというデータがあります。
いずれにしても非常に頻度の高い皮膚炎です。
アトピー性皮膚炎では皮膚の免疫の異常を伴うため、
他の感染症などの病気のリスクも、
高まることが報告されています。
そのうちの1つが、
帯状疱疹のリスク増加です。
帯状疱疹は、
水ぼうそうに罹った人がなる、
痛みを伴う帯状の湿疹が特徴の病気で、
免疫の状態が低下した時に、
発症しやすいと考えられています。
これまでにアトピー性皮膚炎で治療中の患者さんでは、
帯状疱疹の発症が増えることが報告されています。
ただ、
アトピー性皮膚炎では、
通常ステロイド剤や免疫抑制剤などが使用されているので、
治療薬剤の影響で、
免疫が抑制され、
それが帯状疱疹の発症に繋がっている、
という可能性が否定出来ません。
そこで今回の研究では、
イギリスの大規模なプライマリケアのデータを活用して、
治療薬剤の種類などを含む、
アトピー性皮膚炎と帯状疱疹との関連を、
多角的に検証しています。
アトピー性皮膚炎の患者2445090名と、
アトピー性皮膚炎のない、
トータル11636684名が、
解析の対象となっています。
解析の結果、
アトピー性皮膚炎の患者さんは、
皮膚炎のない場合と比較して、
帯状疱疹に罹患するリスクが、
トータルで1.28倍(95%CI:1.27から1.29)
有意に増加していました。
ここで患者さんの免疫に影響が大きいと想定される、
飲み薬のステロイド剤の使用や、
全身的な免疫抑制剤の使用と、
帯状疱疹リスクとの関係を検証したところ、
その使用は帯状疱疹リスクに、
殆ど影響を及ぼしていませんでした。
一方でアトピー性皮膚炎の重症度と、
帯状疱疹リスクとの関連をみたところ、
軽症では帯状疱疹リスクの増加は、
1.22倍(95%CI:1.20から1.23)であったのに対して、
重症の患者では、
2.33倍(95%CI:2.22から2.45)とよりリスクは増加していました。
このように、
アトピー性皮膚炎においては、
その治療の有無に関わらず、
帯状疱疹のリスクは増加していて、
今後そうした患者さんには、
積極的にワクチン接種を勧めるべきかなど、
その予防について議論を進める必要がありそうです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
この記事へのコメント