高齢者の夜間頻尿とそのメカニズム
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

Neurourology and Urodynamics誌に、
2026年6月12日付で掲載された、
夜間頻尿のメカニズムについての論文です。
夜何度もおしっこで目が覚めるという症状は、
特に中高年以降では非常に一般的な症状です。
夜一回就寝して朝起きるまでの間に、
1回以上尿意のために目覚めることを、
夜間頻尿と言いますが、
多い場合は2回やそれ以上起きることも稀ではなく、
排尿後にもすぐに眠ることが出来ず、
結果として睡眠時間が短縮してしまう、
ということになりがちです。
こうした夜間の覚醒が精神疾患の誘因となったり、
その悪化に結び付くとする報告も多くあります。
この夜間頻尿は、
年齢と共に増加することが知られています。
その理由は単純ではありませんが、
腎機能が低下して尿量の調整が難しくなることや、
夜間に尿を止めている、抗利尿ホルモンというホルモンの分泌の低下、
膀胱の機能が低下して、
尿を膀胱に溜めづらくなることなどが、
その原因として考えられています。
シンプルに言うと、
人間の身体には、
夜しっかり眠ることが出来るように、
夜間帯の尿量を少なくするという仕組みがあるのですが、
それが加齢とともに、
色々な意味で不具合が生じて、
昼と同じように排尿をしなくてはならなくなるのが、
夜間頻尿の原因と言えるのです。
夜間多尿という言葉があります。
言葉だけを聞くと、
何となく夜にジャンジャン尿が出る、
という感じがしますが、
そうした意味ではなくて、
相対的に夜の尿量が増加している、
という意味です。
具体的には、
1日に出る尿の全体量のうち、
その3分の1以上が、
就寝してから朝起きるまでに出ている、
という現象を指しています。
1日に1.5リットルの尿が出るとして、
その3分の1の500ミリリットルを超える量が、
夜に膀胱に溜まるとすれば、
当然我慢が出来ずに、
夜にトイレに起きる、
という現象が起きます。
夜間頻尿には、
夜間多尿を伴う場合とそうでない場合とがあり、
そこに膀胱に溜められる量の低下が、
別個に関連している、
ということになる訳です。
ただ、実際に加齢に伴う夜間頻尿において、
どのくらいの比率で夜間多尿が関係しているのか、
1日の尿量自体にはどのような変化があるのか、
というような点については、
それほど臨床データが豊富にある、
という訳ではありません。
今回の研究は岐阜大学の研究者らにより、
岐阜、山梨、福島などの、
17の医療機関において、
夜間頻尿の症状のある患者、
トータル875例を対象として、
2日以上の排尿日誌を記載してもらい、
その解析から夜間多尿の関与と年齢との関連などを、
検証しているものです。
その結果、患者の67.4%に当たる590名が、
3分の1以上の尿が夜間に出ている、
夜間多尿に該当しており、
その頻度は年齢と共に増加していることが確認されました。
夜間多尿が顕著なのは特に80歳以上の年齢層で、
80歳以上では1日の尿量自体は少ない一方で、
夜間に出る比率が増加していました。
また夜間頻尿では、
膀胱に尿を溜めにくくなる「過活動性膀胱」の頻度が増加している一方で、
男性での前立腺肥大症は、
明確な関連がありませんでした。
このように、
特に高齢者においては、
夜おしっこに頻回に起きる夜間頻尿は、
夜の尿量が増える夜間多尿と、
膀胱に尿を溜めにくくなる過活動性膀胱が、
主に原因となって発症しており、
実際に1日の尿量自体は、
減っていることが確認されました。
夜間頻尿はとても一般的な症状ですが、
その原因は単一ではなく、
病状に合わせたきめ細かい対応が、
重要であると言えそうです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
Neurourology and Urodynamics誌に、
2026年6月12日付で掲載された、
夜間頻尿のメカニズムについての論文です。
夜何度もおしっこで目が覚めるという症状は、
特に中高年以降では非常に一般的な症状です。
夜一回就寝して朝起きるまでの間に、
1回以上尿意のために目覚めることを、
夜間頻尿と言いますが、
多い場合は2回やそれ以上起きることも稀ではなく、
排尿後にもすぐに眠ることが出来ず、
結果として睡眠時間が短縮してしまう、
ということになりがちです。
こうした夜間の覚醒が精神疾患の誘因となったり、
その悪化に結び付くとする報告も多くあります。
この夜間頻尿は、
年齢と共に増加することが知られています。
その理由は単純ではありませんが、
腎機能が低下して尿量の調整が難しくなることや、
夜間に尿を止めている、抗利尿ホルモンというホルモンの分泌の低下、
膀胱の機能が低下して、
尿を膀胱に溜めづらくなることなどが、
その原因として考えられています。
シンプルに言うと、
人間の身体には、
夜しっかり眠ることが出来るように、
夜間帯の尿量を少なくするという仕組みがあるのですが、
それが加齢とともに、
色々な意味で不具合が生じて、
昼と同じように排尿をしなくてはならなくなるのが、
夜間頻尿の原因と言えるのです。
夜間多尿という言葉があります。
言葉だけを聞くと、
何となく夜にジャンジャン尿が出る、
という感じがしますが、
そうした意味ではなくて、
相対的に夜の尿量が増加している、
という意味です。
具体的には、
1日に出る尿の全体量のうち、
その3分の1以上が、
就寝してから朝起きるまでに出ている、
という現象を指しています。
1日に1.5リットルの尿が出るとして、
その3分の1の500ミリリットルを超える量が、
夜に膀胱に溜まるとすれば、
当然我慢が出来ずに、
夜にトイレに起きる、
という現象が起きます。
夜間頻尿には、
夜間多尿を伴う場合とそうでない場合とがあり、
そこに膀胱に溜められる量の低下が、
別個に関連している、
ということになる訳です。
ただ、実際に加齢に伴う夜間頻尿において、
どのくらいの比率で夜間多尿が関係しているのか、
1日の尿量自体にはどのような変化があるのか、
というような点については、
それほど臨床データが豊富にある、
という訳ではありません。
今回の研究は岐阜大学の研究者らにより、
岐阜、山梨、福島などの、
17の医療機関において、
夜間頻尿の症状のある患者、
トータル875例を対象として、
2日以上の排尿日誌を記載してもらい、
その解析から夜間多尿の関与と年齢との関連などを、
検証しているものです。
その結果、患者の67.4%に当たる590名が、
3分の1以上の尿が夜間に出ている、
夜間多尿に該当しており、
その頻度は年齢と共に増加していることが確認されました。
夜間多尿が顕著なのは特に80歳以上の年齢層で、
80歳以上では1日の尿量自体は少ない一方で、
夜間に出る比率が増加していました。
また夜間頻尿では、
膀胱に尿を溜めにくくなる「過活動性膀胱」の頻度が増加している一方で、
男性での前立腺肥大症は、
明確な関連がありませんでした。
このように、
特に高齢者においては、
夜おしっこに頻回に起きる夜間頻尿は、
夜の尿量が増える夜間多尿と、
膀胱に尿を溜めにくくなる過活動性膀胱が、
主に原因となって発症しており、
実際に1日の尿量自体は、
減っていることが確認されました。
夜間頻尿はとても一般的な症状ですが、
その原因は単一ではなく、
病状に合わせたきめ細かい対応が、
重要であると言えそうです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
この記事へのコメント
医療関係のように守便【しゅびん)で済ますほかない。薬やサプリは抵抗がある。