睡眠時間短縮の代謝への影響

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
老人ホームの診療などには廻る予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
睡眠短縮の代謝への影響.jpg
Annals of Internal Medicine誌に、
2026年7月7日付で掲載された、
短時間睡眠が体重に与える影響についての論文です。

睡眠不足が体重増加に結び付きやすい、
つまり寝不足で太る、というのは、
しばしば聞かれる意見です。

実際睡眠不足は多くの病気のリスクを高め、
肥満もその1つであることは間違いがありません。

たとえば2022年に発表されたこちらの論文では、
12名のボランティアに2週間、
1日4時間という短時間睡眠を強制したところ、
食事量が増えて内臓脂肪が増加し、
体重増加に結び付いた、
という結果が報告されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35361348/

ただ、1日4時間というのは、
かなりストレスを感じる超短時間睡眠ですし、
対象者も少なく、
こうした検討としては、
2週間という期間はかなり短いという感じが否めません。

通常最も健康リスクの低い睡眠時間は、
概ね7時間とする報告が多く、
6時間未満では健康リスクが増加するとされています。

睡眠不足の影響を考えるのであれば、
5から6時間くらいの睡眠を、
1か月以上は続けた場合の影響を、
検証することが、
実情を最も反映するように思われます。

そこで今回の研究はアメリカにおいて、
平均の睡眠時間は1日7時間以上で、
体重が太り気味であったり、
血糖や血圧が上昇しているなど、
一定の心血管疾患リスクがあると想定される、
20歳上の95名を対象として、
寝入りの時間を1時間半遅くし、
起きる時間は変えないという介入を行って、
それを6週間持続した場合の、
体重などの代謝の変化を検証しています。
同一の人で通常睡眠と短時間睡眠の時期を繰り返し、
それをまとめて比較するという手法です。

その結果、
1.5時間寝入りの時間を遅くすることにより、
実際の睡眠時間は78.4分(95%CI:-83.5から-73.3)短縮し、
体重は0.45キログラム(95%CI:0.33から0.57)、
腹囲は0.52センチ(95%CI:0.25から0.79)、
身体全体の容積は0.56リットル(95%CI:0.19から0.93)、
それぞれ有意に増加しました。

また体脂肪の量を反映するレプチン濃度は、
睡眠時間短縮で増加し、
座位時間も17.2分(95%CI:11.7から22.7)増加していました。

このように、
比較的マイルドな睡眠時間の短縮によっても、
体重と腹囲の増加が認められ、
それは代謝に関わるホルモンバランスの異常や、
昼間の活動時間の低下が、
影響している可能性が示唆されました。

睡眠時間の短縮は、
健康上のリスクが明らかな介入なので、
今回を超える長期の試験は適切ではないと思いますが、
今後そのメカニズムについては、
より詳細な検証が必要と考えられます。

寝不足は太るというのは、
そのメカニズムはともなく、
事実ではあるようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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