東葛スポーツ公演「アルファード」

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は土曜日で午前午後とも石原が外来を担当する予定です。

土曜日は趣味の話題です。
今日はこちら。
アルファード.jpg
大音量のヒップホップを取り入れた、
金山寿甲さんの東葛スポーツに、
本谷有希子さんが出演して、
今北千住で公演中です。
その2日目の公演に足を運びました。

東葛スポーツさんは前に神保町での公演に、
一度お伺いしたことがあるのですが、
最近は拝見していませんでした。

今回は正直本谷有希子さんが目当てでした。
(金山さん申し訳ありません)

これはねえ、本当に素晴らしかったのです。

小劇場演劇の精髄というのか、
本谷有希子さんという肉体の魅力の全てが、
金山さんの名演出によって開花した
と言って良い素晴らしい舞台で、
観逃したら一生後悔すると言って過言ではありません。

僕にとっては、
本谷有希子さんと飴屋法水さんは、
特別の存在で、
その名前を聞くだけで、
胸の奥がざわついて、
落ち着かない気分になりますし、
夢の中で見た夏休みの夕暮れが、
眼前に迫って来るような思いがします。

その2人が舞台に出演すると言えば、
その生身の姿に同じ空間で立ち会えると思えば、
何を置いても駆けつけたい衝動に、
常に掻き立てられるのです。

本谷有希子さんのお芝居は、
演劇をメインでされていた時期には、
結構まめに足を運んでいました。
出来にはかなり波のある感じで、
オヤオヤという感じのお芝居もありましたが、
松永玲子さんが主役を演じた「遭難、」は、
後から変な再演があったので印象が悪くなってしまいましたが、
初演は大傑作であったと思います。
松永さんは大好きな女優さんですが、
他のどのお芝居より、
「遭難、」の演技は絶品でした。
壮絶な修羅場の後で、
松永さんがぼんやりとタバコを吸うラストシーンは、
今も脳裏に焼き付いて離れません。

最近は小説の方に軸足を移していて、
こちらもなかなかどうして、
冴えている作品が多いのですが、
矢張り演劇の本谷さんの特別感は、
ただ事ではありません。

本谷さんも飴屋さんも、
そもそも役者さんではありませんが、
若い頃は生身の肉体を離れて、
作品がより生々しく成立していた、
つまり、本来の肉体が、
その作品に従属している感じがあったのが、
年を経て最近になると、
その生身の肉体こそが、
作品と一体化しているという感じがあります。

ご本人達もそれを認識しているので、
自らパフォーマンスに登場するように、
なっているのだと思います。

そして今回ですが…

金山さんの構成力も素晴らしいと思うのですが、
これまでより数段素晴らしい、
パフォーマーとしても完成された、
本谷さんの姿を見ることが出来ます。

黒いサングラスに黒いスーツ、
真紅のグローブでビシッと決めた本谷さんが、
ヒップホップを歌い語り、
最後はアルファードの上でアジテーションまで繰り広げます。

昔の本谷さんの演劇を観ていた方なら分かると思うのですが、
長澤まさみさんや松永玲子さん、小池栄子さん、
永作博美さんなど、
錚々たる女優さんがそのクライマックスで披露した、
あの1人語りのアジテーションと大暴れを、
本谷さん本人が自分の肉声と肉体で、
やっているんですね。

これはもう本当に素晴らしく至福の時間でしたし、
もう演劇なんて一生見なくてもいいかな、
本谷さんのこの姿を、
心に焼き付けておきたいから、
とそう思ったほど最高でした。

金山さんのお芝居自体もとても良かったですし、
本谷さんの魅力を、
ここまで開花させたその演出力にも、
とても感銘を受けました。

ともかく、
本谷さんのファンであれば、
絶対に観ないと駄目だと、
そこはもう断言できる舞台で、
小劇場とアングラの精髄というか、
その結晶体のような舞台なので、
迷われている方は、
是非是非北千住に足をお運び下さい。

最高ですよ!

それでは今日はこのくらいで。

今日は皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

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