妊娠中のベンゾジアゼピンの使用と胎児の精神疾患との関連性

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
ベンゾジアゼピンの使用と胎児リスク.jpg
British Medical Journal誌に、
2026年4月29日付で掲載された、
妊娠中の安定剤や睡眠剤の使用が、
生まれて来たお子さんの精神発達に与える影響についての論文です。

不安やイライラ、不眠などの症状は、
妊娠された女性にとっては多く見られる症状です。

特に妊娠初期と後期には、
そうした症状が多いと報告されています。

こうした症状に対して、
妊娠以外の時期であれば、
ベンゾジアゼピン系の睡眠剤や抗不安薬、
またZ薬と呼ばれる非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬が、
一般的には広く使用されています。

ただ、妊娠中では、
その母体や胎児に対する、
薬剤の有害事象や副作用、
特に胎児の成長発達に与える影響が問題となります。

2023年の精神医学の専門誌に発表された論文によれば、
ベンゾジアゼピン系薬剤やZ薬の妊娠中の使用で、
流早産などのリスクは若干高まる可能性があるなど、
その使用は無害とは言い切れないものの、
明確な胎児の異常などのリスクは、
上昇はしていないようです。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37022751/

しかし、こうした薬剤は通常胎盤を通過し、
胎児の循環にも影響を与えています。

それが出産後のお子さんの精神的な健康に、
影響を与える可能性について、
長期の検証を行ったような研究は、
これまであまりありませんでした。

そこで今回の研究は韓国において、
2010年から2022年に誕生した、
3809949名の新生児を対象として、
妊娠中のベンゾジアゼピン系薬剤とZ薬の使用と、
誕生したお子さんの精神疾患や発達障害のリスクとの関連を、
比較検証しています。

トータルな新生児のうち、
2.5%に当たる94482名が母親の妊娠中に、
ベンゾジアゼピン系薬剤もしくはZ薬の曝露を受けていました。

ただ、妊娠後半の使用や比較的長期使用された場合において、
やや精神疾患や発達障害のリスク(この場合ハザード比)が高い傾向はあるものの、
統計的に有意な増加は認められませんでした。

今回の大規模な検証において、
ベンゾジアゼピンとZ薬の妊娠中の使用が、
お子さんに精神発達の異常をもたらす可能性は、
明確なものは確認されませんでした。

これをもって、
そうした薬剤の使用が安全、
と言い切ることは出来ませんし、
その使用は必要最小限に留めることは勿論ですが、
経過上必要と考えられる患者さんに対しては、
1つの安心に繋がる情報ではあるように思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

この記事へのコメント

AF患者
2026年05月15日 16:37
本日の内容のコメントとは関係ないのですが、地元那須日赤はほとんどの科が紹介状がないとじゅしんできません。開業医は患者を手放そうとはしません。このシステムは厚生省が最近になって制度化したのでしょうか。治療費のほかに7,700円も負担させられる。午前中のみの治療。聖業てゃこんなことなのでしょうか。