コレステロールの吸収と動脈硬化との関連
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は介護保険の審査会などで都内を廻る予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

Journal of Internal Medicine誌に、
2026年4月2日付でウェブ掲載された、
コレステロールの吸収と動脈硬化の進行との関連についての論文です。
コレステロールはリポ蛋白に結合した形で、
血液中を移動しています。
リポ蛋白は目的地の決められたトラックで、
その積み荷がコレステロールや中性脂肪、
というように考えると理解がし易いと思います。
LDLコレステロールは通称で「悪玉コレステロール」と呼ばれています。
これはコレステロールに善悪がある訳ではなく、
LDLというリポ蛋白の積み荷のコレステロールという意味です。
LDLは血管などにコレステロールを運ぶトラックなので、
その積み荷のコレステロールが多いと、
それだけ血管にコレステロールが溜まりやすく、
それが動脈硬化のリスクになる、
とい意味合いです。
ただ、LDLコレステロールが高いと、
動脈硬化が進みやすいこと自体は事実ですが、
実際にはコレステロールは正常でも、
動脈硬化が進みやすい体質の人がいますし、
コレステロールが高くても、
動脈硬化の病気にはならない人もいます。
つまり、LDLの積み荷のコレステロールが高いことだけでは、
動脈硬化のリスクは説明しきれないのです。
それでは、他の何が影響をしているのでしょうか?
食事由来のコレステロールは主に小腸で吸収されますが、
その吸収率には遺伝子のタイプにより、
かなりの差があることが分かっています。
吸収率が50から60%を超える場合を高吸収群と言い、
人口の3割程度が該当すると報告されています。
ここで興味深いことは、
コレステロールの吸収が高い体質の人は、
動脈硬化に伴う病気のリスクが高い、
というデータがあることです。
2026年のこちらの研究では、
コレステロール高吸収群は虚血性心疾患のリスクが高く、
その予後も悪かったと報告されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41478357/
それは何故なのでしょうか?
今回の研究は90名の中年の男女を対象として、
コレステロール吸収率が高い群と低い群とに分け、
血液中のLDLの粒子の状態を詳細に検証しているものです。
その結果、
コレステロール高吸収群も低吸収群も、
血液中のコレステロール値などには明確な違いがなかった一方で、
高吸収群では1つ1つのLDLの粒子の大きさが大きく、
その表面のリン脂質などの含有量も多いことが明らかになりました。
そして、このタイプのLDL粒子は、
血管壁に結合し易く、
また粒子同士も凝集し易い、
という性質が認められました。
つまり。体質的にコレステロールの吸収率が高い人は、
LDLの粒子の性質が通常と異なり、
血管壁に沈着して、
動脈硬化を生じるリスクが高い、
と想定されるのです。
これはまだ粒子の性質からの推測で、
実際に動脈硬化の進行を確認したものではありませんが、
コレステロールの吸収が動脈硬化に直接的に関係しているという、
今回の結果は非常に興味深く、
コレステロール吸収を抑制する薬の有効性などについての、
今後の臨床的検証にも期待をしたいと思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は介護保険の審査会などで都内を廻る予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
Journal of Internal Medicine誌に、
2026年4月2日付でウェブ掲載された、
コレステロールの吸収と動脈硬化の進行との関連についての論文です。
コレステロールはリポ蛋白に結合した形で、
血液中を移動しています。
リポ蛋白は目的地の決められたトラックで、
その積み荷がコレステロールや中性脂肪、
というように考えると理解がし易いと思います。
LDLコレステロールは通称で「悪玉コレステロール」と呼ばれています。
これはコレステロールに善悪がある訳ではなく、
LDLというリポ蛋白の積み荷のコレステロールという意味です。
LDLは血管などにコレステロールを運ぶトラックなので、
その積み荷のコレステロールが多いと、
それだけ血管にコレステロールが溜まりやすく、
それが動脈硬化のリスクになる、
とい意味合いです。
ただ、LDLコレステロールが高いと、
動脈硬化が進みやすいこと自体は事実ですが、
実際にはコレステロールは正常でも、
動脈硬化が進みやすい体質の人がいますし、
コレステロールが高くても、
動脈硬化の病気にはならない人もいます。
つまり、LDLの積み荷のコレステロールが高いことだけでは、
動脈硬化のリスクは説明しきれないのです。
それでは、他の何が影響をしているのでしょうか?
食事由来のコレステロールは主に小腸で吸収されますが、
その吸収率には遺伝子のタイプにより、
かなりの差があることが分かっています。
吸収率が50から60%を超える場合を高吸収群と言い、
人口の3割程度が該当すると報告されています。
ここで興味深いことは、
コレステロールの吸収が高い体質の人は、
動脈硬化に伴う病気のリスクが高い、
というデータがあることです。
2026年のこちらの研究では、
コレステロール高吸収群は虚血性心疾患のリスクが高く、
その予後も悪かったと報告されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41478357/
それは何故なのでしょうか?
今回の研究は90名の中年の男女を対象として、
コレステロール吸収率が高い群と低い群とに分け、
血液中のLDLの粒子の状態を詳細に検証しているものです。
その結果、
コレステロール高吸収群も低吸収群も、
血液中のコレステロール値などには明確な違いがなかった一方で、
高吸収群では1つ1つのLDLの粒子の大きさが大きく、
その表面のリン脂質などの含有量も多いことが明らかになりました。
そして、このタイプのLDL粒子は、
血管壁に結合し易く、
また粒子同士も凝集し易い、
という性質が認められました。
つまり。体質的にコレステロールの吸収率が高い人は、
LDLの粒子の性質が通常と異なり、
血管壁に沈着して、
動脈硬化を生じるリスクが高い、
と想定されるのです。
これはまだ粒子の性質からの推測で、
実際に動脈硬化の進行を確認したものではありませんが、
コレステロールの吸収が動脈硬化に直接的に関係しているという、
今回の結果は非常に興味深く、
コレステロール吸収を抑制する薬の有効性などについての、
今後の臨床的検証にも期待をしたいと思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
この記事へのコメント
sd LDLが悪性度が高いと知られており、本論文の大きいLDLが動脈硬化リスクという結果には違和感がありました。
いつもお読みいただきありがとうございます。
私の読んだ限りでは、
これは従来のLDL粒子が小さいほうがリスクが高い、
という考え方とは、
全く異なる知見であるようです。
ただ、分析は結構詳細で説得力はあります。
今回のものは臨床的知見ではないので、
その範囲で理解する必要はあるかと思います。