痛風のコントロールと心血管疾患リスク(2026年イギリスの疫学データ)
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

JAMA Internal Medicine誌に2026年1月26日付で掲載された、
痛風の患者さんの尿酸値のコントロールと、
その後の心血管疾患リスクについての論文です。
身体に尿酸という成分が過剰に蓄積し、
関節に尿酸結晶を形成すると、
一種の自己炎症的な機序により、
足の親指に特徴的な、
猛烈な痛みの関節炎を起こします。
所謂痛風発作です。
1回でも痛風発作を起こした方の場合、
その再発予防の目的で、
尿酸を下げる薬を使用することは、
世界的にも推奨されている治療です。
この場合発作を抑制するためには、
血液の尿酸値を6mg /dL未満にコントロールすることが推奨されています。
その一方で痛風の患者さんでは、
痛風発作以外にも、
心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患のリスクが、
1.5倍程度増加しているとするデータがあります。
近年の研究により、この心血管疾患リスクの増加は、
尿酸値そのものより、
痛風発作の有無に関連していると考えられています。
それでは、
尿酸値が高く痛風の発作を起こしている患者さんが、
尿酸を下げる薬による治療を行って、
尿酸値が低下すると、
その後の心血管疾患のリスクも低下するのでしょうか?
この点については、
今のところあまり明確なデータが得られていません。
そこで今回の研究では、
イギリスのプライマリケアの医療データを活用して、
治療中の痛風の患者さんの尿酸値のコントロール状態と、
心血管疾患リスクとの関連を調査しています。
対象は痛風で治療を開始した、
トータル109504名の患者さんで、
処方開始後1年以内に血液の尿酸値が6.0mg/dL未満に達した場合と、
そうでない場合とに分けて、
治療開始後5年以内の心血管疾患リスクを比較検証しているのです。
その結果、
血液の尿酸値のコントロールが6.0mg/dL未満と良好であると、
そうでない場合と比較して、
5年生存率が1.0%(95%CI:0.5から1.6)有意に高く、
心血管疾患のリスクも9%(95%CI:0.89から0.92)、
有意に低下していました。
個別の疾患では心筋梗塞のリスクが12%(95%CI:0.85から0.90)、
脳卒中のリスクも14%(95%CI:0.83から0.90)、
それぞれ有意に低下していました。
尿酸値が5.0mg/dL未満とより低い群では、
5年生存率が2.6%(95%CI:0.9から3.6)有意に高く、
心血管疾患のリスクも23%(95%CI:0.72から0.81)、
有意に低下するなど、
その有効性はより高くなっていました。
このように、
痛風の発作を起こして治療中の患者さんでは、
尿酸値が低くコントロールされるほど、
その後の心血管疾患のリスクが低下し、
生命予後にも良い影響が確認されました。
これは痛風発作を起こした患者さんに限ったものであることに、
注意が必要ですが、
尿酸値を低下させることの意義は、
痛風発作の予防だけではないようです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
JAMA Internal Medicine誌に2026年1月26日付で掲載された、
痛風の患者さんの尿酸値のコントロールと、
その後の心血管疾患リスクについての論文です。
身体に尿酸という成分が過剰に蓄積し、
関節に尿酸結晶を形成すると、
一種の自己炎症的な機序により、
足の親指に特徴的な、
猛烈な痛みの関節炎を起こします。
所謂痛風発作です。
1回でも痛風発作を起こした方の場合、
その再発予防の目的で、
尿酸を下げる薬を使用することは、
世界的にも推奨されている治療です。
この場合発作を抑制するためには、
血液の尿酸値を6mg /dL未満にコントロールすることが推奨されています。
その一方で痛風の患者さんでは、
痛風発作以外にも、
心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患のリスクが、
1.5倍程度増加しているとするデータがあります。
近年の研究により、この心血管疾患リスクの増加は、
尿酸値そのものより、
痛風発作の有無に関連していると考えられています。
それでは、
尿酸値が高く痛風の発作を起こしている患者さんが、
尿酸を下げる薬による治療を行って、
尿酸値が低下すると、
その後の心血管疾患のリスクも低下するのでしょうか?
この点については、
今のところあまり明確なデータが得られていません。
そこで今回の研究では、
イギリスのプライマリケアの医療データを活用して、
治療中の痛風の患者さんの尿酸値のコントロール状態と、
心血管疾患リスクとの関連を調査しています。
対象は痛風で治療を開始した、
トータル109504名の患者さんで、
処方開始後1年以内に血液の尿酸値が6.0mg/dL未満に達した場合と、
そうでない場合とに分けて、
治療開始後5年以内の心血管疾患リスクを比較検証しているのです。
その結果、
血液の尿酸値のコントロールが6.0mg/dL未満と良好であると、
そうでない場合と比較して、
5年生存率が1.0%(95%CI:0.5から1.6)有意に高く、
心血管疾患のリスクも9%(95%CI:0.89から0.92)、
有意に低下していました。
個別の疾患では心筋梗塞のリスクが12%(95%CI:0.85から0.90)、
脳卒中のリスクも14%(95%CI:0.83から0.90)、
それぞれ有意に低下していました。
尿酸値が5.0mg/dL未満とより低い群では、
5年生存率が2.6%(95%CI:0.9から3.6)有意に高く、
心血管疾患のリスクも23%(95%CI:0.72から0.81)、
有意に低下するなど、
その有効性はより高くなっていました。
このように、
痛風の発作を起こして治療中の患者さんでは、
尿酸値が低くコントロールされるほど、
その後の心血管疾患のリスクが低下し、
生命予後にも良い影響が確認されました。
これは痛風発作を起こした患者さんに限ったものであることに、
注意が必要ですが、
尿酸値を低下させることの意義は、
痛風発作の予防だけではないようです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
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