「TOKYOタクシー」

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

新年最初は映画の話題です。
今日はこちら。
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山田洋次監督がフランス映画の「パリタクシー」を翻案し、
倍賞千恵子さんと木村拓哉さんの共演で製作した映画が、
今公開されています。

これは如何にも山田洋次監督らしい映画で、
こうしたバタ臭い素材を和風に仕上げるのも、
ロードムービーで日本の歴史を俯瞰する、
というのも得意技ですし、
何より盟友である倍賞千恵子さんの、
メモリアルな代表作にしようという愛情が、
全体に溢れているような映画でした。

僕達より上の世代を主な対象としている、
所謂「老人映画」ですが、
それを他に媚びずに堂々とやっている、
という辺りが清々しい感じで、
最近の山田洋次作品としては
出色の1本だと思います。

キャストは倍賞千恵子さんが堂々の風格で、
木村拓哉さんの楷書の感じも悪くありませんでした。
また過去の倍賞さんを演じた蒼井優さんと、
昭和のクズ男を徹底して下衆に演じた迫田孝也さんが、
如何にもの雰囲気を濃厚に漂わせて素晴らしく、
小林稔侍さんの特別出演も感動的でした。

勿論往年の山田洋次作品と比べれば、
完成度はそれほど高いとは言えませんし、
小粒な感じも否めません。
ツッコミどころも結構あります。

ただ、今はもうあまりない老人映画の佳作で、
何処まで監督ご本人が関わっていたのかは分かりませんが、
老人ホームの非人間的な雰囲気が、
到着した夜の空気感とリンクして、
さりげなく感じられるところや、
タクシー運転手の思い出は語られるのに、
それは再現映像にはしないなど、
細部の演出にもセンスがあり、
過去として語られる昭和の雰囲気描写もさすがで、
2025年の日本映画の収穫であることは間違いがないと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い新春をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

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