「エディントンへようこそ」

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

クリニックは本日から年末年始の休診期間です。

今日の話題はこちら。
エディントンへようこそ.jpg
鬼才アリ・アスター監督の最新作が、
今ロードショー公開されています。

最近映画もあまり観られていないのですが、
これだけはどうにか観ないとと思って、
日曜の夜の映画館に足を運びました。

「ヘレディタリー継承」、「ミッドサマー」、「ボーはおそれている」と、
いずれも一筋縄ではいかない、
奇怪な作品を作り続けているアリ・アスター監督ですが、
今回の作品は「ボーはおそれている」と同じ、
ホアキン・フェニックスさんが主演を勤め、
邪悪で人間離れした母親の悪魔的な力に、
子供(今回は義理の)が支配され翻弄されるという点では、
「ヘレディタリー継承」や「ボーはおそれている」と、
ほぼ同じ物語と言えなくもありません。

舞台はアメリカ西部の田舎町で、
時代は新型コロナのパンデミック後期に設定され、
義母に支配された気弱な町の保安官が、
マスク推進派の市長と対立して市長選挙に立候補したところから、
町は異常な熱狂の中で、
如何にもアリ・アスター監督らしい、
悲劇の連鎖が主人公を襲います。

監督の作品の中では、
比較的分かり易く展開される物語で、
SNSや社会の分断、カルト、テロなど、
現代アメリカを田舎町に濃縮して分析し解剖するという、
社会派的視点が明確です。

ただ、主役は曲者のホアキンで、
周りもアクの強い面々が固めているので、
話は常に豊穣で自由気ままな脇筋に入り込み、
なかなか全体像や作者の意図は見えて来ません。

漸く後半になって、
追い詰められた主人公の暴走から、
サスペンス的展開になると、
何となく先が見えた感じがするのですが、
ところがどっこい、
主人公が得体の知れないテロリストに、
攻撃されるという予想外の展開となって、
これはもう監督の本領発揮と言って良い、
執拗な恐怖描写のつるべ打ちが待っています。

「ボーはおそれている」が、
ある意味観客の期待をスカし続ける、
という映画であったのが、
今回は途中まではそうした感じで進むのですが、
ラストに至って、
観客へのご褒美的に、
「これが見たかったんでしょ」とでも言いたげに、
恐怖描写が展開されるのです。

僕も勿論これが見たかったので、
ラストの展開には充分満喫させて頂きました。

ある意味これまでの総決算的作品で、
エマ・ストーンさん演じる妻の異常さは「ミッドサマー」に繋がり、
異常な母と子というテーマは全てに繋がり、
キャラの異常な暴走ぶりも全開で、
真のテロリストが誕生するというラストも、
底冷えのするような物を感じさせて秀逸です。

次回作はおそらく、
これまでとはまた違ったテイストになりそうで、
今からかなり楽しみに待ちたいと思います。

アリ・アスター監督の作品の好きな方には必見の怪作です。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

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