コーヒーの心房細動予防効果
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

JAMA誌に 2025年11月9日付で掲載された、
コーヒーの心房細動予防効果についての論文です。
コーヒーが多くの健康に良い効果を持ち、
1日3杯程度のコーヒーを飲むことが、
健康に良い習慣として世界中の専門機関に認められていることは、
このブログをお読みの皆さんには、
改めて言うまでもないことかと思います。
ただ、まだコーヒーやカフェインを含む飲み物が、
良くないとされている知見もあって、
その1つが心房細動などの不整脈のリスクです。
不整脈は脈の乱れを伴う症状の総称ですが、
特に心房細動と呼ばれる、
心臓の一部がけいれんするように不規則に動く不整脈は、
その頻度も多く、
脳卒中や心不全の原因となることから、
特に臨床的に重視されている不整脈です。
一部の専門学会のガイドラインには今も、
コーヒーなどのカフェインを含む飲み物は、
不整脈を誘発するリスクがあると記載されています。
ただ、
確かにカフェインには交感神経の刺激作用があるので、
心臓を刺激して不整脈を増やすのでは、
という可能性はあります。
しかし、それは推測であって証明されたものではなく、
こうしたリスクの裏打ちとなっているデータは、
1980年代の古い観察研究があるだけです。
2021年のJAMA Internal Medicine誌に掲載された心象研究では、
大規模な遺伝子多型を含む臨床データである、
UKバイオバンクのデータを活用して、
トータル386258名の一般住民を平均で4.5年観察し、
不整脈の発症リスクとコーヒーやカフェイン含有飲料の摂取習慣との関連を、
カフェイン代謝に関わる遺伝子多型を含めて、
比較検証しています。
その結果、
他の不整脈リスクに関わる関連因子を補正した結果として、
習慣的なコーヒーの摂取は、
1杯当たり3%、不整脈の発症リスクを低下させていました。
このリスク低下は、
特に心房細動や上室性頻拍で強く認められていました。
カフェインの代謝酵素の遺伝子多型による解析では、
カフェインの代謝と不整脈リスクとの間には、
明確な関連は認められませんでした。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34279564/
今回の研究は、
アメリカ、カナダ、オーストラリアの多施設において、
心房細動(もしくは関連疾患の心房粗動)という不整脈があり、
それを電気的除細動(電気ショック)を用いて治療予定の、
200名の患者を登録し、
くじ引きで2つの群に分けると、
一方はカフェインを含むコーヒーを毎日1杯以上飲むことを推奨、
もう一方はコーヒー(デカフェを含む)と他のカフェインを含む飲料は全て禁止を指示して、
半年間の経過観察を施行しているものです。
その結果、
心房細動(もしくは心房粗動)の再発や、
コーヒー推奨群の47%、禁止群の64%に認められ、
コーヒーの摂取(中央値で週に7杯)は、
心房細動(もしくは心房粗動)の再発を、
39%(95%CI:0.42から0.89)有意に低下させていました。
今回の研究ではカフェイン入りのコーヒーに、
一定の心房細動再発予防効果が認められました。
これをもってコーヒーが心房細動予防に有効、
と言い切ることは出来ませんし、
1日2杯以上のコーヒーの安全性が、
実証された訳でもありませんが、
不整脈に対するカフェイン含有飲料の禁忌が、
あまり根拠のないものであることは、
間違いないと言って良いようです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
JAMA誌に 2025年11月9日付で掲載された、
コーヒーの心房細動予防効果についての論文です。
コーヒーが多くの健康に良い効果を持ち、
1日3杯程度のコーヒーを飲むことが、
健康に良い習慣として世界中の専門機関に認められていることは、
このブログをお読みの皆さんには、
改めて言うまでもないことかと思います。
ただ、まだコーヒーやカフェインを含む飲み物が、
良くないとされている知見もあって、
その1つが心房細動などの不整脈のリスクです。
不整脈は脈の乱れを伴う症状の総称ですが、
特に心房細動と呼ばれる、
心臓の一部がけいれんするように不規則に動く不整脈は、
その頻度も多く、
脳卒中や心不全の原因となることから、
特に臨床的に重視されている不整脈です。
一部の専門学会のガイドラインには今も、
コーヒーなどのカフェインを含む飲み物は、
不整脈を誘発するリスクがあると記載されています。
ただ、
確かにカフェインには交感神経の刺激作用があるので、
心臓を刺激して不整脈を増やすのでは、
という可能性はあります。
しかし、それは推測であって証明されたものではなく、
こうしたリスクの裏打ちとなっているデータは、
1980年代の古い観察研究があるだけです。
2021年のJAMA Internal Medicine誌に掲載された心象研究では、
大規模な遺伝子多型を含む臨床データである、
UKバイオバンクのデータを活用して、
トータル386258名の一般住民を平均で4.5年観察し、
不整脈の発症リスクとコーヒーやカフェイン含有飲料の摂取習慣との関連を、
カフェイン代謝に関わる遺伝子多型を含めて、
比較検証しています。
その結果、
他の不整脈リスクに関わる関連因子を補正した結果として、
習慣的なコーヒーの摂取は、
1杯当たり3%、不整脈の発症リスクを低下させていました。
このリスク低下は、
特に心房細動や上室性頻拍で強く認められていました。
カフェインの代謝酵素の遺伝子多型による解析では、
カフェインの代謝と不整脈リスクとの間には、
明確な関連は認められませんでした。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34279564/
今回の研究は、
アメリカ、カナダ、オーストラリアの多施設において、
心房細動(もしくは関連疾患の心房粗動)という不整脈があり、
それを電気的除細動(電気ショック)を用いて治療予定の、
200名の患者を登録し、
くじ引きで2つの群に分けると、
一方はカフェインを含むコーヒーを毎日1杯以上飲むことを推奨、
もう一方はコーヒー(デカフェを含む)と他のカフェインを含む飲料は全て禁止を指示して、
半年間の経過観察を施行しているものです。
その結果、
心房細動(もしくは心房粗動)の再発や、
コーヒー推奨群の47%、禁止群の64%に認められ、
コーヒーの摂取(中央値で週に7杯)は、
心房細動(もしくは心房粗動)の再発を、
39%(95%CI:0.42から0.89)有意に低下させていました。
今回の研究ではカフェイン入りのコーヒーに、
一定の心房細動再発予防効果が認められました。
これをもってコーヒーが心房細動予防に有効、
と言い切ることは出来ませんし、
1日2杯以上のコーヒーの安全性が、
実証された訳でもありませんが、
不整脈に対するカフェイン含有飲料の禁忌が、
あまり根拠のないものであることは、
間違いないと言って良いようです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
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