メラノーマの早期診断のためのエクソソーム検出法について
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

Biosensors and Bioelectronics誌に2025年5月16日付でウェブ掲載された、
皮膚癌の新しい早期診断法についての論文です。
メラノーマ(悪性黒色腫)は悪性度の高い皮膚癌の一種で、
初期には黒子のように見えます。
このメラノーマは非常に稀な癌とされて来ましたが、
近年世界的にその罹患率が増加していることが指摘されています。
その原因には幾つかの可能性が指摘されています。
その1つは紫外線の影響です。
メラノーマは白人種に多いことから、
以前より紫外線が誘因となるのではという指摘があります。
最近皮膚が暴露する紫外線量が増加しているので、
メラノーマが増えているのではないか、
と言うのです。
もう1つはスクリーニングや精密検査の普及です。
特殊な拡大鏡によるメラノーマの診断の進歩や、
日本ではそのリスクからあまり行われていませんが、
海外では積極的に施行されている生検の増加などにより、
メラノーマが初期に診断される事例が増えています。
また、「こうした黒子には気を付けろ」のような、
報道や情報発信も多く行われるようになり、
一般の方でも自分から積極的に、
皮膚科などを受診して診断を希望されることも増えたのです。
ただ、拡大鏡の検査のみで、
特に早期のメラノーマを全て診断することは困難です。
生検は確実性はありますが、
患者さんに負担が大きい、侵襲的な検査です。
また、転移性のメラノーマは、
原発巣とは異なる特徴を持つことが多く、
診断が遅れることも指摘されています。
それでは、
患者さんに負担が少なく、
早期に確実に診断可能なような、
メラノーマの検査はないのでしょうか?
今回の論文で研究されているのは、
微細な針のついたパッチを皮膚に当てることで、
微量な組織を採取し、
そこに含まれるエクソソームという、
癌細胞由来の成分を検出する、
という方法で、
簡便にメラノーマの可能性を診断しよう、
というものです。
エクソソームというのは、
細胞から分泌される顆粒状の物質で、
その中には遺伝子の断片である核酸などが含有され、
癌細胞から分泌されるエクソソームは、
癌の転移に強く関わっていることが知られています。
つまり、癌に特有のエクソソームが検出されれば、
それが癌であることの証明となるのです。
こちらをご覧下さい。

これは今回の検査の概要を説明した図です。
微細な針が複数付いているパッチを、
異常の疑いのある皮膚に貼り付けることにより、
針にエクソソームが付着し、
それを一定時間後に剥がして、
特殊な溶解液に漬けてエクソソームを分離。
そのエクソソームに反応する検査紙を溶解液に漬けて、
インフルエンザ迅速試験のように、
線が出ることでその有無を確認するのです。
今回の研究ではネズミの皮膚組織を活用した実験で、
メラノーマ由来のエクソソームを、
この検査で検出可能であることを立証しています。
この検査が実際に臨床で活用されるまでには、
まだ紆余曲折はありそうですが、
場合によっては医療機関を受診することなく、
メラノーマの可能性を検証出来る検査の意義は大きく、
今後の進捗に期待をしたいと思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
Biosensors and Bioelectronics誌に2025年5月16日付でウェブ掲載された、
皮膚癌の新しい早期診断法についての論文です。
メラノーマ(悪性黒色腫)は悪性度の高い皮膚癌の一種で、
初期には黒子のように見えます。
このメラノーマは非常に稀な癌とされて来ましたが、
近年世界的にその罹患率が増加していることが指摘されています。
その原因には幾つかの可能性が指摘されています。
その1つは紫外線の影響です。
メラノーマは白人種に多いことから、
以前より紫外線が誘因となるのではという指摘があります。
最近皮膚が暴露する紫外線量が増加しているので、
メラノーマが増えているのではないか、
と言うのです。
もう1つはスクリーニングや精密検査の普及です。
特殊な拡大鏡によるメラノーマの診断の進歩や、
日本ではそのリスクからあまり行われていませんが、
海外では積極的に施行されている生検の増加などにより、
メラノーマが初期に診断される事例が増えています。
また、「こうした黒子には気を付けろ」のような、
報道や情報発信も多く行われるようになり、
一般の方でも自分から積極的に、
皮膚科などを受診して診断を希望されることも増えたのです。
ただ、拡大鏡の検査のみで、
特に早期のメラノーマを全て診断することは困難です。
生検は確実性はありますが、
患者さんに負担が大きい、侵襲的な検査です。
また、転移性のメラノーマは、
原発巣とは異なる特徴を持つことが多く、
診断が遅れることも指摘されています。
それでは、
患者さんに負担が少なく、
早期に確実に診断可能なような、
メラノーマの検査はないのでしょうか?
今回の論文で研究されているのは、
微細な針のついたパッチを皮膚に当てることで、
微量な組織を採取し、
そこに含まれるエクソソームという、
癌細胞由来の成分を検出する、
という方法で、
簡便にメラノーマの可能性を診断しよう、
というものです。
エクソソームというのは、
細胞から分泌される顆粒状の物質で、
その中には遺伝子の断片である核酸などが含有され、
癌細胞から分泌されるエクソソームは、
癌の転移に強く関わっていることが知られています。
つまり、癌に特有のエクソソームが検出されれば、
それが癌であることの証明となるのです。
こちらをご覧下さい。
これは今回の検査の概要を説明した図です。
微細な針が複数付いているパッチを、
異常の疑いのある皮膚に貼り付けることにより、
針にエクソソームが付着し、
それを一定時間後に剥がして、
特殊な溶解液に漬けてエクソソームを分離。
そのエクソソームに反応する検査紙を溶解液に漬けて、
インフルエンザ迅速試験のように、
線が出ることでその有無を確認するのです。
今回の研究ではネズミの皮膚組織を活用した実験で、
メラノーマ由来のエクソソームを、
この検査で検出可能であることを立証しています。
この検査が実際に臨床で活用されるまでには、
まだ紆余曲折はありそうですが、
場合によっては医療機関を受診することなく、
メラノーマの可能性を検証出来る検査の意義は大きく、
今後の進捗に期待をしたいと思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
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