重症の食物アレルギーの原因解析(2025年フランスの疫学データ)
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は事務作業などの予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

Clinical and Experimental Allergy誌に2025年7月付で掲載された、
食物由来のアナフィラキシーの原因を解析した論文です。
アナフィラキシーというのは、
重症のアレルギー反応のことで、
その原因となる物質に接触してから、
概ね10分以内に起こる、
血圧の低下や呼吸困難を伴う一連の全身症状のことです。
その起こるきっかけは、
特定の食物(牛乳、卵、ナッツ、小麦、蕎麦など)を食べた時やハチに刺された時、
薬剤やラテックスの影響などが知られています。
ただ、アナフィラキシーにも、
すぐに処置をしないと命に関わるような、
非常に重篤なものから、
自然に回復するものまで、
実際にはその重症度にかなりの幅があり、
どのようなアナフィラキシーが、
より重症化し易いのか、
という点が臨床的には非常に重要です。
これまでにどのような条件があると、
アナフィラキシーが重症化し易いかについて、
多くの研究が発表されていますが、
実際に命に関わるような事例を、
多数例集計して解析したようなデータは限られていました。
今回の研究はフランスにおいて、
専門のネットワークに報告された食物由来のアナフィラキシー事例を解析することで、
どのようなアナフィラキシーが、
より重症化し易いかを検証しているものです。
アナフィラキシーの重症度分類は、
Ring分類が採用されていて、
これはグレード1からグレード4に分かれ、
3が重篤な症状で、4は心肺停止もしくは死亡を意味しています。
日本のガイドラインにあるものとは異なる点があるので、
注意が必要です。
トータルで2621例の、
食物アレルギーによるアナフィラキシー事例を解析したところ、
そのうちの687例がグレード3で、44例がグレード4(死亡19例を含む)でした。
このうちデータの確認出来る725事例が、
「重篤なアナフィラキシー」と定義されています。
重藤なアナフィラキシーの原因食物としては、
ピーナッツが13.9%と最も多く、
小麦(9.4%)、カシューナッツ(5.8%)、海老(5.4%)、牛乳(4.6%)、
の順となっていました。
グレード4のアナフィラキシーは、
成人より小児で多くなっていました。
グレード4のアナフィラキシーのリスクは、
喘息があると3.41倍(95%CI:1.56から7.44)、
ピーナツが原因であると3.46倍(95%CI:1.28から9.34)と、
それぞれ増加が認められました。
つまり、今回の結果からは、
命に関わるような食物アレルギーによるアナフィラキシーは、
喘息の患者さんに起こった場合、お子さんに発症した場合、
原因がピーナツである場合に、
生じる可能性が高い、
というデータが得られています。
日本における食物アレルギーは、
ピーナツなどのナッツ類より、
牛乳や鶏卵が多いという違いがあり、
このデータが直接日本でも成り立つとは言えませんが、
喘息がリスクになることなどは一致した知見で、
喘息のお子さんの食物アレルギーについては、
より慎重な対応が必要であることは間違いがなさそうです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は事務作業などの予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
Clinical and Experimental Allergy誌に2025年7月付で掲載された、
食物由来のアナフィラキシーの原因を解析した論文です。
アナフィラキシーというのは、
重症のアレルギー反応のことで、
その原因となる物質に接触してから、
概ね10分以内に起こる、
血圧の低下や呼吸困難を伴う一連の全身症状のことです。
その起こるきっかけは、
特定の食物(牛乳、卵、ナッツ、小麦、蕎麦など)を食べた時やハチに刺された時、
薬剤やラテックスの影響などが知られています。
ただ、アナフィラキシーにも、
すぐに処置をしないと命に関わるような、
非常に重篤なものから、
自然に回復するものまで、
実際にはその重症度にかなりの幅があり、
どのようなアナフィラキシーが、
より重症化し易いのか、
という点が臨床的には非常に重要です。
これまでにどのような条件があると、
アナフィラキシーが重症化し易いかについて、
多くの研究が発表されていますが、
実際に命に関わるような事例を、
多数例集計して解析したようなデータは限られていました。
今回の研究はフランスにおいて、
専門のネットワークに報告された食物由来のアナフィラキシー事例を解析することで、
どのようなアナフィラキシーが、
より重症化し易いかを検証しているものです。
アナフィラキシーの重症度分類は、
Ring分類が採用されていて、
これはグレード1からグレード4に分かれ、
3が重篤な症状で、4は心肺停止もしくは死亡を意味しています。
日本のガイドラインにあるものとは異なる点があるので、
注意が必要です。
トータルで2621例の、
食物アレルギーによるアナフィラキシー事例を解析したところ、
そのうちの687例がグレード3で、44例がグレード4(死亡19例を含む)でした。
このうちデータの確認出来る725事例が、
「重篤なアナフィラキシー」と定義されています。
重藤なアナフィラキシーの原因食物としては、
ピーナッツが13.9%と最も多く、
小麦(9.4%)、カシューナッツ(5.8%)、海老(5.4%)、牛乳(4.6%)、
の順となっていました。
グレード4のアナフィラキシーは、
成人より小児で多くなっていました。
グレード4のアナフィラキシーのリスクは、
喘息があると3.41倍(95%CI:1.56から7.44)、
ピーナツが原因であると3.46倍(95%CI:1.28から9.34)と、
それぞれ増加が認められました。
つまり、今回の結果からは、
命に関わるような食物アレルギーによるアナフィラキシーは、
喘息の患者さんに起こった場合、お子さんに発症した場合、
原因がピーナツである場合に、
生じる可能性が高い、
というデータが得られています。
日本における食物アレルギーは、
ピーナツなどのナッツ類より、
牛乳や鶏卵が多いという違いがあり、
このデータが直接日本でも成り立つとは言えませんが、
喘息がリスクになることなどは一致した知見で、
喘息のお子さんの食物アレルギーについては、
より慎重な対応が必要であることは間違いがなさそうです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
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