CGMで自動車事故が減る?
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
小学校の検診などで都内を廻る予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

Diabetes Research and Clinical Practicesi誌に2025年2月28日付で掲載された、
持続的に血糖を測定する方法の、
臨床的有効性についての論文です。
糖尿病の患者さんの治療で一番問題となるのは低血糖です。
糖尿病では血糖を下げるような薬を使いますが、
内臓機能の低下などで薬が想定より効きすぎてしまったり、
食前に使用する薬を服用して、
その後にきちんと食事を摂らないなど、
適切な使用をされなかったりすると、
血糖は正常より低下して、
低血糖という状態になります。
重症の低血糖は、
意識障害などを起こして脳にダメージを与え、
低血糖を繰り返すことにより、
糖尿病の患者さんの予後も悪化します。
つまり、糖尿病の治療においては、
血糖を下げながら、低血糖は起こさない、
ということが非常に重要なのです。
それでは、糖尿病を薬で治療しながら、
低血糖を起こさないためには、
どうすれば良いのでしょうか?
それを防ぐ方法の1つは、
低血糖を起こしやすい食前などのタイミングで、
患者さんが自分で血糖を測定する、
「血糖自己測定」です。
これは細い針を指先や耳朶などに刺し、
微量の血液を使って血糖を簡易測定するもので、
その場で10秒程度で血糖値の確認が可能です。
専用の機器も多く販売され、
現状インスリンの自己注射をしている患者さんなどに限られますが、
健康保険も適応されています。
ただ、この方法は皮膚に針を刺すので、
患者さんには負担のある検査で、
寝ている時などは測定出来ない、
と言う欠点があります。
測定回数も1日にせいぜい数回が限度です。
最近持続血糖モニタリングシステム(CGM)という方法が開発され、
健康保険の適応はインスリン使用者などで制限はありますが、
一般の患者さんにも広く利用が可能となりました。
これは専用のパッチを皮膚に貼るだけで、
2週間1分毎に血糖を測定し続けることが出来る、
というものです。
その情報は専用の機器で、
リアルタイムで確認出来ると共に、
最近ではスマホアプリで見ることが出来るものもあります。
最新のCGMのもう1つの特徴は、
警告機能を設定することにより、
低血糖などが認められれば、
アプリを通して患者さんに警告することが可能であることです。
その有効性はどの程度のものなのでしょうか?
今回の研究は名古屋大学の研究者らによるもので、
糖尿病でインスリン治療を受けており、
定期的に車を運転している患者さん30名を対象として、
CGMで測定された血糖値が80mg/dLを切ると、
自動的に警告が出る設定を追加した場合と、
警告機能なしの場合とに振り分けて、
途中で群を入れ替えるという手法で、
その有効性を検証しています。
その結果、自動車の運転時に、
血糖値が70mg/dL未満となる低血糖の発症率は、
警告機能設定群で19%に対して、
警告機能を設定していない群では33%と、
明確な差が認められました。
今回の結果はまだ例数は少なく、
予備研究レベルのものですが、
CGMの活用により低血糖による自動車事故が、
未然に阻止出来る可能性が示されている点は非常に意義深く、
より詳細かつ規模の大きな研究が施行されることに期待したいと思いますし、
データが蓄積された上で、
今後糖尿病で治療中の患者さんで運転を常時している場合には、
CGMの使用を健康保険適応とするなど、
科学的な事故防止の取り組みが、
進捗することを期待したいと思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は金曜日でクリニックは休診ですが、
小学校の検診などで都内を廻る予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。
Diabetes Research and Clinical Practicesi誌に2025年2月28日付で掲載された、
持続的に血糖を測定する方法の、
臨床的有効性についての論文です。
糖尿病の患者さんの治療で一番問題となるのは低血糖です。
糖尿病では血糖を下げるような薬を使いますが、
内臓機能の低下などで薬が想定より効きすぎてしまったり、
食前に使用する薬を服用して、
その後にきちんと食事を摂らないなど、
適切な使用をされなかったりすると、
血糖は正常より低下して、
低血糖という状態になります。
重症の低血糖は、
意識障害などを起こして脳にダメージを与え、
低血糖を繰り返すことにより、
糖尿病の患者さんの予後も悪化します。
つまり、糖尿病の治療においては、
血糖を下げながら、低血糖は起こさない、
ということが非常に重要なのです。
それでは、糖尿病を薬で治療しながら、
低血糖を起こさないためには、
どうすれば良いのでしょうか?
それを防ぐ方法の1つは、
低血糖を起こしやすい食前などのタイミングで、
患者さんが自分で血糖を測定する、
「血糖自己測定」です。
これは細い針を指先や耳朶などに刺し、
微量の血液を使って血糖を簡易測定するもので、
その場で10秒程度で血糖値の確認が可能です。
専用の機器も多く販売され、
現状インスリンの自己注射をしている患者さんなどに限られますが、
健康保険も適応されています。
ただ、この方法は皮膚に針を刺すので、
患者さんには負担のある検査で、
寝ている時などは測定出来ない、
と言う欠点があります。
測定回数も1日にせいぜい数回が限度です。
最近持続血糖モニタリングシステム(CGM)という方法が開発され、
健康保険の適応はインスリン使用者などで制限はありますが、
一般の患者さんにも広く利用が可能となりました。
これは専用のパッチを皮膚に貼るだけで、
2週間1分毎に血糖を測定し続けることが出来る、
というものです。
その情報は専用の機器で、
リアルタイムで確認出来ると共に、
最近ではスマホアプリで見ることが出来るものもあります。
最新のCGMのもう1つの特徴は、
警告機能を設定することにより、
低血糖などが認められれば、
アプリを通して患者さんに警告することが可能であることです。
その有効性はどの程度のものなのでしょうか?
今回の研究は名古屋大学の研究者らによるもので、
糖尿病でインスリン治療を受けており、
定期的に車を運転している患者さん30名を対象として、
CGMで測定された血糖値が80mg/dLを切ると、
自動的に警告が出る設定を追加した場合と、
警告機能なしの場合とに振り分けて、
途中で群を入れ替えるという手法で、
その有効性を検証しています。
その結果、自動車の運転時に、
血糖値が70mg/dL未満となる低血糖の発症率は、
警告機能設定群で19%に対して、
警告機能を設定していない群では33%と、
明確な差が認められました。
今回の結果はまだ例数は少なく、
予備研究レベルのものですが、
CGMの活用により低血糖による自動車事故が、
未然に阻止出来る可能性が示されている点は非常に意義深く、
より詳細かつ規模の大きな研究が施行されることに期待したいと思いますし、
データが蓄積された上で、
今後糖尿病で治療中の患者さんで運転を常時している場合には、
CGMの使用を健康保険適応とするなど、
科学的な事故防止の取り組みが、
進捗することを期待したいと思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
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