思春期のSNSなどの依存的使用がもたらす影響(2025年アメリカの疫学データ)

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
SNSと希死念慮.jpg
JAMA誌に2025年6月18日付で掲載された、
SNSやスマホの使用が、
青少年の精神面に与える影響についての論文です。

ビデオゲームやSNS、スマホなどの使用は、
以前は青少年には望ましくないものとして、
親が禁止をしたりすることがありましたが、
最近では生活に必要不可欠なものとして、
フィルターなどは掛けながらも、
その使用を容認することが一般的になっています。

一方でこうしたSNSなどの使用が、
小児期から思春期に長時間行われることが、
自殺企図やその他の精神的なトラブルの、
誘因となっているという指摘も多くあります。

これまでに報告された、
SNSなどの精神的影響を調査したデータの多くは、
1日にどのくらいの時間スマホなどを見ていたか、
という接触時間(スクリーンタイム)が多いことと、
精神的リスクとの関係性を検証したものでした。

ただ、リスクがあるのは単純に時間の多さではなく、
それをどのように使用していたのかに、拠るのではないか、
という指摘も根強くあります。

そこで問題となることが多いのが、
SNSなどの依存的な使用です。

この場合の依存的な使用というのは、
たとえばSNSの場合であれば、
SNSを常に見ていないと落ち着かない、
見ることの出来ない時間があると不安になる、
見るのを止めるように言われると強いストレスを感じる、
というような状態にあることです。

そこで今回の研究はアメリカにおいて、
小児期の脳の発達を検証する目的で施行された、
疫学研究のデータを活用することにより、
SNSやスマホ、ビデオゲームの依存的な使用が、
希死念慮や精神症状に与える影響を比較検証しています。

対象は平均年齢10歳のアメリカの青少年4285名で、
4年に渡る追跡調査を施行しています。
結果として11歳から15歳くらいの状況が、
主に解析をされています。

その結果、
依存性の低い使用パターンと比較して、
依存性が強い使用パターンが見られると、
自殺に関連する行動が、
SNSで2.39倍(95%CI:1.66から3.43)、
スマホで2.17倍(95%CI:1.48から3.19)、
ビデオゲームで1.54倍(95%CI:1.18から2.03)、
それぞれ有意に増加していました。

抑うつや不安などの精神症状も、
同様に依存性の高い使用と関連を持っていました。

一方でSNSなどの使用時間(スクリーンタイム)は、
こうした希死念慮や精神症状と関連を持っていませんでした。

このように今回のアメリカの青少年を対象とした研究においては、
SNSなどの有害な精神的影響は、
単純に使用時間の長さではなく、
そこにどの程度の依存性があるかによって、
大きく左右されることが示されました。

これはまだ確定的な知見ではありませんが、
SNSなどの使用において多くの示唆的なものを含んでいて、
今後より詳細な検証に期待をしたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

この記事へのコメント