「昭和から騒ぎ」(翻案演出三谷幸喜)

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
昭和から騒ぎ.jpg
シェイクスピアの「から騒ぎ」を、
戦前の北鎌倉を舞台とした家庭劇に翻案した、
三谷幸喜さん翻案演出の「昭和から騒ぎ」が、
今三軒茶屋のパブリックシアターで上演されています。

原作の登場人物を7人に絞り込み、
舞台も1つの場面のみに構成。
意外に原作通りの台詞も多いのですが、
現代ではちょっと違和感のある台詞を、
戦前の北鎌倉という、
小津安二郎の映画的世界に落とし込んで、
時代の違いで違和感を解消しようという趣向です。

さや当てを繰り広げる2組の男女に、
大泉洋さん、宮沢りえさん、竜星涼さん、松本穂香さんという、
いつもながら贅沢過ぎるほど豪華なメンバーが揃っています。

これは最近の三谷幸喜さんの演劇作品としては、
間違いなく一番のヒットだと思います。

上演時間は休憩なしの1時間45分で、
長過ぎず全編軽快なテンポで緩みなく展開されますし、
シェイクスピアの警句と抒情とを活かしながら、
それを「君となら」的な三谷さんのコメディの世界に、
綺麗に落とし込んでいます。

キャストの適度に余力は残した感じの、
プロで華のあるお芝居の競演も楽しく、
とても贅沢な時間を過ごすことが出来ました。

ただ、お芝居というよりは、
テレビドラマを観ている感じで、
作品も翻案というのは、
才人三谷さんの新作としては
ちょっと物足りない感じもあるのですが、
それはそれでこの三谷さんにしかなしえない、
高度成長期にテレビドラマを観ているような、
懐古的で豪華で少し切ない世界を、
心ゆくまで楽しむのが吉だと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

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