コーヒーの淹れ方と有害成分の含有量比較
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

Nutrition, Metabolism and Cardiovascular Diseases誌に、
2025年2月20日付でウェブ掲載された、
コーヒーの淹れ方による、
コーヒーに含まれる有害成分の除去効果との差についての論文です。
コーヒーは健康に良い効果が多数報告されている、
健康飲料と言って良いものですが、
そこに含まれる成分の中には、
一部身体に有害な作用のあることが、
知られているものもあります。
その代表がジテルペン群です。
ジテルペンはコーヒーに含まれる油の成分で、
構造の似た多くの成分の総称です。
コーヒーの油脂の主成分は中性脂肪で、
そこに代謝物のジテルペンが含まれているのです。
コーヒーに含まれるジテルペン群の代表は、
パルミチン酸カフェストールと、
パルミチン酸カーウエオールです。
これは油ですから、
ブラックのコーヒーでもジテルペン群を含めば、
カロリーはあります。
このジテルペンには、
血液中のコレステロールや中性脂肪を増加させる作用があることが報告されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9240930/
これはコーヒーに含まれるクロロゲン酸というポリフェノールに、
コレステロールを低下させるような作用があることと、
相反するような効果です。
従って、コーヒーの健康飲料としての効果を高めるには、
なるべくジテルペン群を減らし、
他の健康に良い成分は減らさないことが望ましい、
ということになります。
このジテルペンは、
フィルターで淹れたコーヒーでは濾過されるので、
その大部分は除去されます。
また水出しのコーヒーではジテルペンは少なくなります。
つまり、エスプレッソやフレンチプレスなどの、
アンフィルターの淹れ方のコーヒーでは、
他の淹れ方に比べてジテルペンが多くなり、
コレステロールが上昇し易い、
という可能性があるのです。
一番多いのがフレンチプレスやスカンジナビアローストで、
中間くらいがエスプレッソと言われています。
更には北欧などでは、
コーヒー豆をそのまま煮だして、
その上澄みを飲む、
と言う煮だしコーヒーも存在しています。
それでは、その淹れ方により、
どの程度ジテルペン量は違うのでしょうか?
こちらをご覧下さい。

ジテルペン群のカフェストールの含有量の違いを図にしたものですが、
一番左のペーパーフィルターを使った淹れ方が、
フィルターにジテルペンが付着して、
殆ど除去されているのに比較して、
右から2番目の煮だしコーヒーは、
圧倒的にジテルペンの含有量が多く、
次にエスプレッソが多く、
フレンチプレスはそれほどでもなく、
コーヒーマシンが意外に多い、
ということが分かります。
これもほぼ想定された結果ではありますが、
健康飲料としてのコーヒーの飲み方としては、
矢張り圧倒的にペーパーフィルターが良く、
煮だしコーヒーやエスプレッソは美味しくても、
なるべく控えた方が良さそうです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
(付記)
コメント欄でご指摘を受け、
論文の画像を入れ替えました。
(2025年4月27日13時50分修正)
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

Nutrition, Metabolism and Cardiovascular Diseases誌に、
2025年2月20日付でウェブ掲載された、
コーヒーの淹れ方による、
コーヒーに含まれる有害成分の除去効果との差についての論文です。
コーヒーは健康に良い効果が多数報告されている、
健康飲料と言って良いものですが、
そこに含まれる成分の中には、
一部身体に有害な作用のあることが、
知られているものもあります。
その代表がジテルペン群です。
ジテルペンはコーヒーに含まれる油の成分で、
構造の似た多くの成分の総称です。
コーヒーの油脂の主成分は中性脂肪で、
そこに代謝物のジテルペンが含まれているのです。
コーヒーに含まれるジテルペン群の代表は、
パルミチン酸カフェストールと、
パルミチン酸カーウエオールです。
これは油ですから、
ブラックのコーヒーでもジテルペン群を含めば、
カロリーはあります。
このジテルペンには、
血液中のコレステロールや中性脂肪を増加させる作用があることが報告されています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9240930/
これはコーヒーに含まれるクロロゲン酸というポリフェノールに、
コレステロールを低下させるような作用があることと、
相反するような効果です。
従って、コーヒーの健康飲料としての効果を高めるには、
なるべくジテルペン群を減らし、
他の健康に良い成分は減らさないことが望ましい、
ということになります。
このジテルペンは、
フィルターで淹れたコーヒーでは濾過されるので、
その大部分は除去されます。
また水出しのコーヒーではジテルペンは少なくなります。
つまり、エスプレッソやフレンチプレスなどの、
アンフィルターの淹れ方のコーヒーでは、
他の淹れ方に比べてジテルペンが多くなり、
コレステロールが上昇し易い、
という可能性があるのです。
一番多いのがフレンチプレスやスカンジナビアローストで、
中間くらいがエスプレッソと言われています。
更には北欧などでは、
コーヒー豆をそのまま煮だして、
その上澄みを飲む、
と言う煮だしコーヒーも存在しています。
それでは、その淹れ方により、
どの程度ジテルペン量は違うのでしょうか?
こちらをご覧下さい。

ジテルペン群のカフェストールの含有量の違いを図にしたものですが、
一番左のペーパーフィルターを使った淹れ方が、
フィルターにジテルペンが付着して、
殆ど除去されているのに比較して、
右から2番目の煮だしコーヒーは、
圧倒的にジテルペンの含有量が多く、
次にエスプレッソが多く、
フレンチプレスはそれほどでもなく、
コーヒーマシンが意外に多い、
ということが分かります。
これもほぼ想定された結果ではありますが、
健康飲料としてのコーヒーの飲み方としては、
矢張り圧倒的にペーパーフィルターが良く、
煮だしコーヒーやエスプレッソは美味しくても、
なるべく控えた方が良さそうです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
(付記)
コメント欄でご指摘を受け、
論文の画像を入れ替えました。
(2025年4月27日13時50分修正)
この記事へのコメント
今回は、最初に表示される論文と本文が異なっています。
私は非常勤ですが大学の講師をやっていますので論文が読めるのですが、
先生は別途購入されているのでしょうが。
ご指摘ありがとうございます。
取り急ぎ画像を差し替えました。
今後ともよろしくお願いします。