チーム徒花「月曜日の教師たち」

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は日曜日でクリニックは休診です。

休みの日は趣味の話題です。
今日はこちら。
月曜日の教師たち.jpg
千葉雅子さんと土田英生さんが立ちあげた、
舞台製作事業のチーム徒花が、
劇作家5人が1つの戯曲を作り上げ、
1人の若手役者を含めた6人がキャストとして、
作品を制作するという面白い企画を上演しました。

3年越しの準備期間があったという労作です。

ミステリーでは著明な作家がリレー方式で、
1つの作品を完成させるという試みが、
しばしば行われていますが、
その舞台版という感じの企画です。

参加しているのは千葉雅子さんと土田英生さん以外に、
お目付け役的な岩松了さん、
今脂の乗り切っている桑原裕子さんに、
早船聡さんというとても豪華で充実した布陣です。
そこに若手の役者さんの荒澤守さんが加わり、
劇作家と役者を兼ねる5人と1人という6人の座組です。

内容は離島の中学校を舞台にして、
キャストは全員中学教師で、
それも不道徳な教師ということになっていて、
そこに赴任して来た若い教師を巡って、
様々な人間関係のドラマが展開する、
というお話です。

アフタートークのお話を聞いていた印象では、
大枠は岩松さんが決めた部分が大きいようです。
ただ、個々の教師のキャラなどは、
集団創作的な趣向が取られているようで、
キャラが固まれば、
そこからまたお話の枝葉が変わって来るので、
色々な趣向が絡み合って、
1つの複雑な物語が組み上がったのではないか、
というように推察されました。

トータルな印象としては、
非常に面白い試みであったと思いますし、
その陰の苦労の大きさが、
感じられる作品になっていたと思います。

ただ、多くの作者の手が入っているので、
かなり趣向が複雑で、
物語が自由に展開するという闊達さに乏しく、
少し重い感じの作品になってしまった、
という感じはありました。

それから作・演出の座長が5人いるというのは、
結構観ていてしんどく感じる部分はあるのですね。
台詞はほぼ均等に割られていて、
見せ場も同じくらいある感じなので、
何本かのお芝居を同時に観ているような気分にさせられるのです。

そんな訳で、
素直に面白かった、
とは言いにくいお芝居ではあったのですが、
大変贅沢で貴重な試みであったことは確かで、
小劇場ファンの端くれとしては、
その贅沢さを堪能出来ただけで幸せでした。

この作品の欠点は、
勿論作者の手練れの皆さんが、
百も承知の上だと思うので、
もし何かこの限界を突破するブレイクスルーがあれば、
そこには今まで誰も観たことのない、
最高のお芝居が誕生すると思いますし、
是非そうした機会を待ちたいと思います。

それでは今日はこのくらいで。

皆さんも良い休日をお過ごし下さい。

石原がお送りしました。

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