睡眠の質と脳萎縮との関係(2025年メタ解析)
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

Sleep Medicine誌に2025年付で掲載された、
睡眠の状態と脳の構造との関連についての、
メタ解析の論文です。
睡眠習慣と認知症との間に関連があるとする報告は多くあります。
たとえば、認知症の専門誌に2021年に発表された研究では、
1日7時間を平均的睡眠時間とした時に、
9時間という長時間の睡眠でも、5時間という短時間の睡眠でも、
いずれも同程度認知症のリスクが増加していました。
更に昼寝の習慣も認知症リスクの増加に繋がっていました。
https://alz-journals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/alz.12439
それでは、仮にこうしたデータが事実であるとして、
睡眠習慣はどのようなメカニズムで、
認知症のリスクに関連しているのでしょうか?
今回の研究では、
MRI検査における脳容積などの計測データと、
睡眠についての解析データとの関連を、
これまでのデータをまとめて解析する、
システマティックレビューとメタ解析という手法で、
比較検証しています。
トータルで106の臨床研究に含まれる、
108364名のデータをまとめて解析したところ、
全体の73.1%の研究において、
睡眠の異常はMRIでの脳容積の低下と結びついていました。
脳の灰白質や白質毎の容積を計測することが出来る、
ボクセルベースモルフォメトリー(VBM)と言う手法を用いた解析では、
レム睡眠行動異常という、
レビー小体型認知症という認知症のタイプに特徴的な睡眠の異常と、
右前頭回という脳の部位の萎縮との関連が認められました。
こうしたデータはまだ精度の低いものや、
個別に見ると事例数の少ないものが多いので、
その解釈には注意が必要ですが、
今回の検証においても、
長時間睡眠や短時間睡眠、
また睡眠時行動異常などの睡眠の質の異常は、
脳の萎縮傾向と一定の関連があり、
今後それが実際に認知機能低下に、
結び付くものであるかを含めて、
より詳細な検証が必要と思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

Sleep Medicine誌に2025年付で掲載された、
睡眠の状態と脳の構造との関連についての、
メタ解析の論文です。
睡眠習慣と認知症との間に関連があるとする報告は多くあります。
たとえば、認知症の専門誌に2021年に発表された研究では、
1日7時間を平均的睡眠時間とした時に、
9時間という長時間の睡眠でも、5時間という短時間の睡眠でも、
いずれも同程度認知症のリスクが増加していました。
更に昼寝の習慣も認知症リスクの増加に繋がっていました。
https://alz-journals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/alz.12439
それでは、仮にこうしたデータが事実であるとして、
睡眠習慣はどのようなメカニズムで、
認知症のリスクに関連しているのでしょうか?
今回の研究では、
MRI検査における脳容積などの計測データと、
睡眠についての解析データとの関連を、
これまでのデータをまとめて解析する、
システマティックレビューとメタ解析という手法で、
比較検証しています。
トータルで106の臨床研究に含まれる、
108364名のデータをまとめて解析したところ、
全体の73.1%の研究において、
睡眠の異常はMRIでの脳容積の低下と結びついていました。
脳の灰白質や白質毎の容積を計測することが出来る、
ボクセルベースモルフォメトリー(VBM)と言う手法を用いた解析では、
レム睡眠行動異常という、
レビー小体型認知症という認知症のタイプに特徴的な睡眠の異常と、
右前頭回という脳の部位の萎縮との関連が認められました。
こうしたデータはまだ精度の低いものや、
個別に見ると事例数の少ないものが多いので、
その解釈には注意が必要ですが、
今回の検証においても、
長時間睡眠や短時間睡眠、
また睡眠時行動異常などの睡眠の質の異常は、
脳の萎縮傾向と一定の関連があり、
今後それが実際に認知機能低下に、
結び付くものであるかを含めて、
より詳細な検証が必要と思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
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