睡眠習慣と血糖変動との関係
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

JAMA Network Open誌に、
2025年3月5日付で掲載された、
血糖の変動と睡眠習慣との関連についての論文です。
糖尿病や動脈硬化に関わる病気は、
生活習慣との関連が深いと考えられています。
指摘されることが多いのは、
食生活と運動習慣で、
過食や糖質の多い食事、運動不足が、
糖尿病などのリスクとなることは、
その成り立ちから考えても、
当然のことのように思われます。
睡眠も病気のリスクと関連の深い生活習慣ですが、
睡眠の質と病気との関連については、
食事や運動と比較すると、
あまり明確なことが分かっていません。
ただ、睡眠不足や昼夜逆転のような生活習慣が、
糖尿病のリスクになることは、
多くの疫学データから、
ほぼ一致した事実と考えられています。
一時期「かくれ糖尿病」のような言い方で、
食前の血糖値は正常範囲であっても、
食後血糖が急激に上昇することが、
その後の糖尿病や動脈硬化進行のリスクになるとして、
注目されたことがありました。
ただ、食後の血糖上昇が、
動脈硬化などのリスクとなることは事実であるとしても、
その明確な定義のようなものは存在しないので、
あまり臨床的に意義のある知見とは言えませんでした。
最近になって、
CGMと呼ばれる連続血糖測定が可能となり、
限定的ですが健康保険の適応にもなりました。
これを利用することにより、
1日24時間の血糖値の変動を、
数値として簡単に求めることが可能となったのです。
それでは、睡眠の習慣と血糖変動との間には、
どのような関連があるのでしょうか?
今回の研究は中国において、
46から83歳の一般住民1156名を対象として、
睡眠時間や入眠時刻などの睡眠状態の聞き取りと共に、
CGMによる24時間の持続血糖測定を施行。
睡眠と血糖変動の指標との関連を検証しています。
その結果、
1日の睡眠時間が8時間以上の人と比較して、
4時間程度と高度の短時間睡眠の習慣のある人では、
1日の血糖の変動が有意に大きくなっていました。
また午前0時以降に眠る人は、
そうでない人と比較して、
矢張り1日の血糖の変動が有意に大きくなっていました。
こうしたデータはまだ確定的なものとは言えませんが、
睡眠という習慣が、
その後の健康に大きな影響を与える可能性がある、
ということは確かな事実で、
今後より正確なデータが蓄積され、
個々の健康管理の指標として、
活用されるようになることを期待したいと思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

JAMA Network Open誌に、
2025年3月5日付で掲載された、
血糖の変動と睡眠習慣との関連についての論文です。
糖尿病や動脈硬化に関わる病気は、
生活習慣との関連が深いと考えられています。
指摘されることが多いのは、
食生活と運動習慣で、
過食や糖質の多い食事、運動不足が、
糖尿病などのリスクとなることは、
その成り立ちから考えても、
当然のことのように思われます。
睡眠も病気のリスクと関連の深い生活習慣ですが、
睡眠の質と病気との関連については、
食事や運動と比較すると、
あまり明確なことが分かっていません。
ただ、睡眠不足や昼夜逆転のような生活習慣が、
糖尿病のリスクになることは、
多くの疫学データから、
ほぼ一致した事実と考えられています。
一時期「かくれ糖尿病」のような言い方で、
食前の血糖値は正常範囲であっても、
食後血糖が急激に上昇することが、
その後の糖尿病や動脈硬化進行のリスクになるとして、
注目されたことがありました。
ただ、食後の血糖上昇が、
動脈硬化などのリスクとなることは事実であるとしても、
その明確な定義のようなものは存在しないので、
あまり臨床的に意義のある知見とは言えませんでした。
最近になって、
CGMと呼ばれる連続血糖測定が可能となり、
限定的ですが健康保険の適応にもなりました。
これを利用することにより、
1日24時間の血糖値の変動を、
数値として簡単に求めることが可能となったのです。
それでは、睡眠の習慣と血糖変動との間には、
どのような関連があるのでしょうか?
今回の研究は中国において、
46から83歳の一般住民1156名を対象として、
睡眠時間や入眠時刻などの睡眠状態の聞き取りと共に、
CGMによる24時間の持続血糖測定を施行。
睡眠と血糖変動の指標との関連を検証しています。
その結果、
1日の睡眠時間が8時間以上の人と比較して、
4時間程度と高度の短時間睡眠の習慣のある人では、
1日の血糖の変動が有意に大きくなっていました。
また午前0時以降に眠る人は、
そうでない人と比較して、
矢張り1日の血糖の変動が有意に大きくなっていました。
こうしたデータはまだ確定的なものとは言えませんが、
睡眠という習慣が、
その後の健康に大きな影響を与える可能性がある、
ということは確かな事実で、
今後より正確なデータが蓄積され、
個々の健康管理の指標として、
活用されるようになることを期待したいと思います。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
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