コーヒーの健康効果への添加物の影響
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

American Journal of Clinical Nutrition誌に、
2025年1月18日付で掲載された、
コーヒーの糖尿病予防効果に与える、
添加物の影響についての論文です。
コーヒーを1日3から4杯までの範囲で飲む習慣が、
総死亡や心血管疾患のリスクを低下させることは、
多くの疫学データで実証されている事実で、
そのため国内外の生活習慣のガイドラインにおいても、
コーヒーを飲む習慣が健康に資するものとして認定されています。
糖尿病の予防効果についても多くのデータがあり、
コーヒーが糖尿病予防に、
一定の効果があることが確認されています。
つまり、コーヒーが健康に良い飲み物であることは、
間違いがありません。
ただ、コーヒーには色々な飲み方があります。
コーヒーの健康効果が明確であるのは、
何も入れないブラックコーヒーにおいてですが、
ミルクやクリーム、
砂糖や甘味料などを入れて飲むことは、
むしろブラックよりコーヒーの飲み方として、
一般的なものです。
しかし、そうした添加物を含むコーヒーの健康効果が、
ブラックコーヒーと同じであるかどうかは、
明確には分かっていません。
動物性脂肪の摂り過ぎや砂糖の摂り過ぎは、
糖尿病のリスク因子であることが知られています。
そうであるとすれば、
クリームや砂糖を添加したコーヒーは、
その糖尿病予防効果も、
低下したり相殺される可能性もありそうです。
実際にはどうなのでしょうか?
今回の研究は、
アメリカの医療従事者を対象とした、
有名な大規模疫学研究のデータを活用して、
ブラックコーヒーと、
砂糖、人工甘味料、ミルクなどの乳製品、
植物性脂肪を原料としたコーヒーホワイトナーを、
それぞれ添加したコーヒーの糖尿病予防効果を、
比較検証しているものです。
1年当たりの人数の合算で、
3665408名という大規模な調査の結果、
毎日習慣的にブラックコーヒーを1杯飲む毎に、
飲まない場合と比較して、
糖尿病のリスクは10%(95%CI:0.89から0.92)、
有意に低下していました。
ブラックコーヒーには糖尿病予防効果があるとする結果です。
ここで砂糖を入れたコーヒーで同様の検証を行うと、
1杯飲む毎に飲まない場合と比較して、
糖尿病のリスクは5%(95%CI:0.93から0.97)の低下となり、
ブラックコーヒーの場合と比較すると、
糖尿病のリスクは17%有意に増加していました。
つまり、コーヒーに砂糖を入れても、
糖尿病予防効果はあるものの、
ブラックコーヒーと比較すると、
その効果は減弱してしまう、
という結果です。
次に砂糖の代わりに人工甘味料を加えたコーヒーで、
同様の検証を行うと、
コーヒーを1杯飲む毎に、
糖尿病のリスクは7%(95%CI:0.90から0.96)の低下となり、
ブラックコーヒーと比較すると、
糖尿病のリスクは13%有意に増加していました。
つまり、カロリーのない人工甘味料を使用すると、
砂糖と比較すれば糖尿病リスクの効果減弱は少ないものの、
それでもブラックコーヒーと比較した場合の、
糖尿病予防効果は低くなっていました。
また、コーヒーにミルクを入れた場合には、
ブラックコーヒーと比較してその糖尿病予防効果は、
有意な差が認められなかった一方で、
植物性油脂由来のコーヒーホワイトナーを添加したコーヒーでは、
コーヒー1杯毎の糖尿病リスクは、
5%(95%CI:0.91から1.00)の低下に留まりましたが、
ブラックコーヒーとの比較では、
その効果減弱は有意なものではありませんでした。
このように、
ミルクやクリームを添加した場合の、
糖尿病予防効果については、
あまり明確な結果が得られませんでしたが、
砂糖や人工甘味料を添加したコーヒーは、
糖尿病予防効果が劣ることが示された、
という結果が得られました。
コーヒーの健康効果を最大化する、
賢い飲み方については、
色々な見解があってまだ一致はしていませんが、
砂糖や人工甘味料に使用については、
なるべく控えることが適切であるようです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は午前午後ともいつも通りの診療になります。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

American Journal of Clinical Nutrition誌に、
2025年1月18日付で掲載された、
コーヒーの糖尿病予防効果に与える、
添加物の影響についての論文です。
コーヒーを1日3から4杯までの範囲で飲む習慣が、
総死亡や心血管疾患のリスクを低下させることは、
多くの疫学データで実証されている事実で、
そのため国内外の生活習慣のガイドラインにおいても、
コーヒーを飲む習慣が健康に資するものとして認定されています。
糖尿病の予防効果についても多くのデータがあり、
コーヒーが糖尿病予防に、
一定の効果があることが確認されています。
つまり、コーヒーが健康に良い飲み物であることは、
間違いがありません。
ただ、コーヒーには色々な飲み方があります。
コーヒーの健康効果が明確であるのは、
何も入れないブラックコーヒーにおいてですが、
ミルクやクリーム、
砂糖や甘味料などを入れて飲むことは、
むしろブラックよりコーヒーの飲み方として、
一般的なものです。
しかし、そうした添加物を含むコーヒーの健康効果が、
ブラックコーヒーと同じであるかどうかは、
明確には分かっていません。
動物性脂肪の摂り過ぎや砂糖の摂り過ぎは、
糖尿病のリスク因子であることが知られています。
そうであるとすれば、
クリームや砂糖を添加したコーヒーは、
その糖尿病予防効果も、
低下したり相殺される可能性もありそうです。
実際にはどうなのでしょうか?
今回の研究は、
アメリカの医療従事者を対象とした、
有名な大規模疫学研究のデータを活用して、
ブラックコーヒーと、
砂糖、人工甘味料、ミルクなどの乳製品、
植物性脂肪を原料としたコーヒーホワイトナーを、
それぞれ添加したコーヒーの糖尿病予防効果を、
比較検証しているものです。
1年当たりの人数の合算で、
3665408名という大規模な調査の結果、
毎日習慣的にブラックコーヒーを1杯飲む毎に、
飲まない場合と比較して、
糖尿病のリスクは10%(95%CI:0.89から0.92)、
有意に低下していました。
ブラックコーヒーには糖尿病予防効果があるとする結果です。
ここで砂糖を入れたコーヒーで同様の検証を行うと、
1杯飲む毎に飲まない場合と比較して、
糖尿病のリスクは5%(95%CI:0.93から0.97)の低下となり、
ブラックコーヒーの場合と比較すると、
糖尿病のリスクは17%有意に増加していました。
つまり、コーヒーに砂糖を入れても、
糖尿病予防効果はあるものの、
ブラックコーヒーと比較すると、
その効果は減弱してしまう、
という結果です。
次に砂糖の代わりに人工甘味料を加えたコーヒーで、
同様の検証を行うと、
コーヒーを1杯飲む毎に、
糖尿病のリスクは7%(95%CI:0.90から0.96)の低下となり、
ブラックコーヒーと比較すると、
糖尿病のリスクは13%有意に増加していました。
つまり、カロリーのない人工甘味料を使用すると、
砂糖と比較すれば糖尿病リスクの効果減弱は少ないものの、
それでもブラックコーヒーと比較した場合の、
糖尿病予防効果は低くなっていました。
また、コーヒーにミルクを入れた場合には、
ブラックコーヒーと比較してその糖尿病予防効果は、
有意な差が認められなかった一方で、
植物性油脂由来のコーヒーホワイトナーを添加したコーヒーでは、
コーヒー1杯毎の糖尿病リスクは、
5%(95%CI:0.91から1.00)の低下に留まりましたが、
ブラックコーヒーとの比較では、
その効果減弱は有意なものではありませんでした。
このように、
ミルクやクリームを添加した場合の、
糖尿病予防効果については、
あまり明確な結果が得られませんでしたが、
砂糖や人工甘味料を添加したコーヒーは、
糖尿病予防効果が劣ることが示された、
という結果が得られました。
コーヒーの健康効果を最大化する、
賢い飲み方については、
色々な見解があってまだ一致はしていませんが、
砂糖や人工甘味料に使用については、
なるべく控えることが適切であるようです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
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