有酸素運動の体重減少効果(2024年メタ解析)

こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。

今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は介護保険の審査会などに出席の予定です。

それでは今日の話題です。
今日はこちら。
有酸素運動の体重減少効果.jpg
JAMA Network Open誌に、
2024年12月26日付で掲載された、
有酸素運動の体重減少効果についての論文です。

健康的なダイエットにおいて、
食事と運動は最も重要な生活習慣の両輪です。

ただ、低糖質やカロリー制限などの体重減少効果は、
ほぼ実証された事実と言って良い知見ですが、
運動の減量効果は明確に証明されているとは言えません。

勿論運動そのものの健康効果は、
多くの点で実証されていますが、
運動するだけで体重が減るのか、
という点については明確ではないのです。

運動には幾つかの種類がありますが、
最も健康効果の確認されているのは、
ジョギングや水泳、サイクリングなどの、
有酸素運動です。

それでは、どのくらい有酸素運動を行えば、
明確な減量効果が得られるのでしょうか?

2009年に公開されたアメリカのスポーツ関連学会のガイドラインでは
週に150分以上の中等度以上の強度の有酸素運動を行うことにより、
2から3キロの体重減少効果が期待出来る、
とされています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19127177/

これは逆に言えば、
それを下回るような運動量では、
減量効果は期待出来ないという意味合いです。

それは事実でしょうか?

今回の研究ではこれまでの主だった介入試験という、
精度の高い臨床試験のデータをまとめて解析することで、
この問題の検証を行っています。

これまでの116の臨床研究に含まれる、
トータルで6880名のデータをまとめて解析したところ、
週に30分以上の有酸素運動を行う毎に、
体重は0.52kg(95%CI:-0.61から-0.44)、
腹囲は0.56cm(95%CI:-0.67から-0.45)、
体脂肪率は0.37%(95%CI:-0.43から-0.31)、
それぞれ有意に低下が認められました。
体脂肪は内臓脂肪、皮下脂肪とも同等に減少が認められました。

つまり、少なくとも週に30分以上の有酸素運動を行えば、
それに伴って健康的に体重は減少する、
という結果です。

ただ、矢張り臨床的に意味のあるレベルで体重減少を期待するのであれば、
週に150分以上の中強度以上の有酸素運動が必要であることも、
同時に確認がされています。

有酸素運動は、
仮に短時間であっても、
体重減少に一定の効果が期待出来ますが、
運動だけで体重と体脂肪を減少させるためには、
最低でも週に150分以上の、
ある程度負荷の高いトレーニングが必要であるようです。

それでは今日はこのくらいで。

今日が皆さんにとっていい日でありますように。

石原がお送りしました。

この記事へのコメント