GLP-1アナログ製剤の慢性腎臓病患者への有効性
こんにちは。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は事務作業などの予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

the New England Journal of Medicine誌に、
2024年5月24日付でウェブ掲載された、
腎機能低下を合併する2型糖尿病患者に対する、
GLP-1アナログ製剤の有効性についての論文です。
2型糖尿病の治療に使用される薬剤として、
合併症である腎機能低下の進行予防効果が確認されているのは、
レニン・アンギオテンシン系の抑制剤以外には、
尿にブドウ糖を排泄する働きを持つ、
SGLT2阻害剤のみです。
GLP-1アナログも、
近年その評価が非常に高く、
心血管疾患の予後を改善し、
健康寿命を延長する効果も期待される薬剤です。
ただ、その腎機能低下を合併する患者さんへの有効性については、
まだ精度の高いデータは限られています。
そこで今回の研究では、
世界38か国の387の専門施設において、
2型糖尿病と慢性腎障害を合併している患者、
トータル3533名を患者にも主治医にも分からないように、
くじ引きで2つの群に分けると、
一方はGLP-1アナログの注射薬であるセマグルチド
(日本の商品名オゼンピック)を、
週1回0.25㎎からスタートして、
問題なければ週1回1.0㎎まで増量。
もう一方は偽の注射を同じように使用して、
中央値で3.4年の経過観察を施行しています。
(試験期間は中間解析の結果により予定より早期に終了)
これは日本でも使用されている用量と同じです。
レニン・アンジオテンシン系の抑制薬とSGLT2阻害剤などは、
通常通りで使用継続されています。
対象となる慢性腎臓病は、
推計糸球体濾過量が50から75mL/min/1.73㎡で、
尿中のアルブミンが300mg/g・creatininより多いか、
推計糸球体濾過量が25から50mL/min/1.73㎡で、
尿中のアルブミンが100mg/g・creatininより多い患者とされ、
尿中アルブミンがクレアチニン換算で5グラムを超えるケースは除外されています。
その結果、
末期腎不全と腎機能の50%を超える低下、
心血管疾患や腎臓病による死亡を併せたリスクは、
偽注射群よりセマグルチド群で、
24%(95%CI:0.66から0.88)有意に低下していました。
また心血管疾患による死亡のリスクは18%(95%CI:0.68から0.98)、
総死亡のリスクも20%(95%CI:0.67から0.95)と、
いずれも有意にセマグルチド群で低下していました。
このように、
通常の治療にGLP-1アナログを上乗せすることにより、
腎障害を合併する患者さんの予後は、
トータルに改善しており、
SGLT2阻害剤と並んで、
GLP-1アナログの腎障害に対する有効性も、
今回のデータによりかなり明確に示された、
と言って良いようです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
北品川藤クリニックの石原です。
今日は水曜日なので診療は午前中で終わり、
午後は事務作業などの予定です。
それでは今日の話題です。
今日はこちら。

the New England Journal of Medicine誌に、
2024年5月24日付でウェブ掲載された、
腎機能低下を合併する2型糖尿病患者に対する、
GLP-1アナログ製剤の有効性についての論文です。
2型糖尿病の治療に使用される薬剤として、
合併症である腎機能低下の進行予防効果が確認されているのは、
レニン・アンギオテンシン系の抑制剤以外には、
尿にブドウ糖を排泄する働きを持つ、
SGLT2阻害剤のみです。
GLP-1アナログも、
近年その評価が非常に高く、
心血管疾患の予後を改善し、
健康寿命を延長する効果も期待される薬剤です。
ただ、その腎機能低下を合併する患者さんへの有効性については、
まだ精度の高いデータは限られています。
そこで今回の研究では、
世界38か国の387の専門施設において、
2型糖尿病と慢性腎障害を合併している患者、
トータル3533名を患者にも主治医にも分からないように、
くじ引きで2つの群に分けると、
一方はGLP-1アナログの注射薬であるセマグルチド
(日本の商品名オゼンピック)を、
週1回0.25㎎からスタートして、
問題なければ週1回1.0㎎まで増量。
もう一方は偽の注射を同じように使用して、
中央値で3.4年の経過観察を施行しています。
(試験期間は中間解析の結果により予定より早期に終了)
これは日本でも使用されている用量と同じです。
レニン・アンジオテンシン系の抑制薬とSGLT2阻害剤などは、
通常通りで使用継続されています。
対象となる慢性腎臓病は、
推計糸球体濾過量が50から75mL/min/1.73㎡で、
尿中のアルブミンが300mg/g・creatininより多いか、
推計糸球体濾過量が25から50mL/min/1.73㎡で、
尿中のアルブミンが100mg/g・creatininより多い患者とされ、
尿中アルブミンがクレアチニン換算で5グラムを超えるケースは除外されています。
その結果、
末期腎不全と腎機能の50%を超える低下、
心血管疾患や腎臓病による死亡を併せたリスクは、
偽注射群よりセマグルチド群で、
24%(95%CI:0.66から0.88)有意に低下していました。
また心血管疾患による死亡のリスクは18%(95%CI:0.68から0.98)、
総死亡のリスクも20%(95%CI:0.67から0.95)と、
いずれも有意にセマグルチド群で低下していました。
このように、
通常の治療にGLP-1アナログを上乗せすることにより、
腎障害を合併する患者さんの予後は、
トータルに改善しており、
SGLT2阻害剤と並んで、
GLP-1アナログの腎障害に対する有効性も、
今回のデータによりかなり明確に示された、
と言って良いようです。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
この記事へのコメント