マクロライド少量療法の謎
こんにちは。
六号通り診療所の石原です。
朝から診断書を書いたりして、
それから今PCに向かっています。
それでは今日の話題です。
今日はマクロライドという抗生物質の話です。
マクロライド系抗生物質とは、
大きなラクトン環という、
特殊な構造を持つ、
天然化合物の総称です。
現在も使われている、
エリスロマイシンという物質が、
最初に発見されたマクロライドです。
これは土の中のカビの1種から分離された物質です。
この物質に独特の抗菌作用があることが明らかになり、
1952年に抗生物質として発売されます。
その後1980年代から、
構造を人為的に変えて、
新たなマクロライドを作ろうという試みが始まり、
クラリスロマイシン(商品名クラリシッドなど)や、
1日1回飲めば済むように改良された、
アジスロマイシン(商品名ジスロマックなど)
が開発発売されています。
マクロライドは細菌の蛋白質の合成を、
妨害することによって、
細菌の増殖を抑える薬です。
このために、
マイコプラズマやクラミジアのような、
ペニシリンの効かない微生物に対しても、
効果があるのです。
1990年代の初め、
このマクロライドを、
「び慢性汎細気管支炎」という、
特殊な肺の病気の患者さんに、
ある特殊な使い方で使用すると、
その予後が画期的に改善することが、
報告されました。
「び慢性汎細気管支炎」というのは、
肺の全体に慢性の炎症を起こし、
肺炎を繰り返すなどして呼吸状態が悪化する、
特殊な肺の病気です。
この病気は何故か日本に多く、
後は周辺のアジアの国で、
時々報告がある程度です。
欧米には殆ど報告がないので、
英語の教科書にはあまり記載がありません。
この病気に対して、
このマクロライドを通常よりずっと少ない量で、
最低6ヶ月。
長ければ何年も投与を続けます。
(一応ガイドラインでは2年間となっていますが、
実際にはそれを超えて使うことが結構あります)
そうすると、
咳や痰、呼吸困難の症状は改善し、
肺炎などになることも少なくなるというのです。
この治療は、
日本の開業医の医者が始めたものだ、
と僕は大学病院の先輩から聞きました。
最初は反対する意見もあったのですが、
試みるのは簡単な方法ですし、
実際に効果があることが実感されるので、
瞬く間に日本全国に広まったのです。
ただ、問題は何故効くのか、ということです。
このタイプの抗生物質というのは、
本来細菌の蛋白質の合成を、
妨害するだけの薬の筈です。
その使用は充分な量を、
必要最小限の期間使用する、
というのが原則の筈です。
少量を使えば、効くものも効かないですし、
それを長期間使えば、
効かないばかりか、
この抗生物質に効かない、
耐性菌を増やしてばら撒く結果になりそうです。
要するに、
それまでの常識から考えれば、
やってはならない治療の筈なのです。
それがどうして効くのでしょうか?
その点についてその後研究が進められ、
どうやらマクロライドが、
この病気に対して効果があるのは、
通常の抗菌作用以外の効果にあるのではないか、
ということになったのです。
その作用というのは、
主に免疫系に作用して、
気道の粘液や水分を抑制したり、
白血球の気道への浸潤を抑えたり、
また緑膿菌という本来マクロライドの効果のない細菌の、
増殖を妨害するような作用があるともされています。
要するにマクロライドという物質には、
細菌が人間の身体に定着するのを、
抑えるような働きがあるらしいのです。
その後この治療はび慢性汎細気管支炎以外にも、
効果があるのではないか、
と考えが広まり、
現在特に多く使われているのが、
耳鼻科での蓄膿症への使用です。
皆さんの中にも、
多分蓄膿症と言われて、
クラリスとかクラリシッドという薬を、
毎日しばらく飲むように、
と言われた方があると思います。
小さなお子さんの蓄膿にも、
この薬が使われています。
使用する期間は、
通常3ヶ月と、
び慢性汎再気管支炎の場合よりは短期間ですが、
それでも長期使用であることに変わりはなく、
患者さんにお聞きすると、
それ以上の期間使われている方も多いようです。
でも、こうした使用は本当に望ましいものなのでしょうか?
特に小さなお子さんに長期間抗生物質を飲ませて、
それが本当に適切な医療行為と言えるのでしょうか?
何かそのことによる弊害はないのでしょうか?
僕は正直この治療には疑問を持っています。
その第一はまずメカニズム的な問題です。
この治療に効果があるのは、
抗菌作用以外の、
免疫的なメカニズムによる、
と説明されています。
しかし、もしそうであるなら、
その解明されたメカニズムを元に、
新たな薬を作ればいいのではないでしょうか。
不要な抗菌作用なら、
勿論ない方がいい筈です。
たとえば免疫の作用を強化して、
抗菌作用を弱めた薬なら、
そう困難なく作れそうです。
それをせずに抗菌薬に頼っているのは、
如何にも非科学的な態度です。
その第二は耐性菌の増加です。
この治療に積極的な先生は、
治療の前後で耐性菌の出現など、
悪い効果は何もなかった、
と主張しています。
しかし、現実にアジアではマクロライドの耐性菌は、
他の地域より圧倒的に多いのです。
ある研究によると、
肺炎球菌という細菌の、
マクロライドに対する耐性菌の割合は、
欧米では50パーセント以下であるのに対して、
日本では80パーセントを超えています。
それもこの治療法が普及してから、
激増しているのです。
この事実がありながら、
治療とは無関係だという理屈には無理があります。
百日咳やマイコプラズマ、クラミジアやリケッツィア、
更にはピロリ菌の除菌など、
マクロライドが不可欠の感染症は沢山あります。
耐性菌が殆どだということは、
こうした病気に対しての、
治療が制限されるということです。
幾ら効果があるからと言って、
このような弊害を残しては、
却ってマイナスの方が多いのではないでしょうか。
通常海外では常識の治療が、
日本では行なわれていない、という言い方を、
多くの専門家はしていますよね。
しかし、このマクロライド治療は、
日本でしか殆ど行なわれていないのです。
び慢性汎細気管支炎は日本以外にはあまりない病気ですが、
蓄膿は世界中にある病気です。
しかし、海外ではこんな治療は殆ど行なわれていません。
それで困ったという話も聞きません。
僕は現時点ではマクロライドの、
び慢性汎細気管支炎以外の、
少量持続療法には反対です。
作用の根拠が曖昧なのに、
漫然と使用され、
多くの弊害をもたらしている可能性があるからです。
もし言われているような素晴らしい免疫作用があるならば、
それに特化した薬を、
是非開発するべきです。
しかし、15年経ってもそんな新薬の痕跡すらない、
という事実が、
僕には真実を指し示しているという気がしてなりません。
今日は日本のみで行なわれている、
特殊な治療の話でした。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
六号通り診療所の石原です。
朝から診断書を書いたりして、
それから今PCに向かっています。
それでは今日の話題です。
今日はマクロライドという抗生物質の話です。
マクロライド系抗生物質とは、
大きなラクトン環という、
特殊な構造を持つ、
天然化合物の総称です。
現在も使われている、
エリスロマイシンという物質が、
最初に発見されたマクロライドです。
これは土の中のカビの1種から分離された物質です。
この物質に独特の抗菌作用があることが明らかになり、
1952年に抗生物質として発売されます。
その後1980年代から、
構造を人為的に変えて、
新たなマクロライドを作ろうという試みが始まり、
クラリスロマイシン(商品名クラリシッドなど)や、
1日1回飲めば済むように改良された、
アジスロマイシン(商品名ジスロマックなど)
が開発発売されています。
マクロライドは細菌の蛋白質の合成を、
妨害することによって、
細菌の増殖を抑える薬です。
このために、
マイコプラズマやクラミジアのような、
ペニシリンの効かない微生物に対しても、
効果があるのです。
1990年代の初め、
このマクロライドを、
「び慢性汎細気管支炎」という、
特殊な肺の病気の患者さんに、
ある特殊な使い方で使用すると、
その予後が画期的に改善することが、
報告されました。
「び慢性汎細気管支炎」というのは、
肺の全体に慢性の炎症を起こし、
肺炎を繰り返すなどして呼吸状態が悪化する、
特殊な肺の病気です。
この病気は何故か日本に多く、
後は周辺のアジアの国で、
時々報告がある程度です。
欧米には殆ど報告がないので、
英語の教科書にはあまり記載がありません。
この病気に対して、
このマクロライドを通常よりずっと少ない量で、
最低6ヶ月。
長ければ何年も投与を続けます。
(一応ガイドラインでは2年間となっていますが、
実際にはそれを超えて使うことが結構あります)
そうすると、
咳や痰、呼吸困難の症状は改善し、
肺炎などになることも少なくなるというのです。
この治療は、
日本の開業医の医者が始めたものだ、
と僕は大学病院の先輩から聞きました。
最初は反対する意見もあったのですが、
試みるのは簡単な方法ですし、
実際に効果があることが実感されるので、
瞬く間に日本全国に広まったのです。
ただ、問題は何故効くのか、ということです。
このタイプの抗生物質というのは、
本来細菌の蛋白質の合成を、
妨害するだけの薬の筈です。
その使用は充分な量を、
必要最小限の期間使用する、
というのが原則の筈です。
少量を使えば、効くものも効かないですし、
それを長期間使えば、
効かないばかりか、
この抗生物質に効かない、
耐性菌を増やしてばら撒く結果になりそうです。
要するに、
それまでの常識から考えれば、
やってはならない治療の筈なのです。
それがどうして効くのでしょうか?
その点についてその後研究が進められ、
どうやらマクロライドが、
この病気に対して効果があるのは、
通常の抗菌作用以外の効果にあるのではないか、
ということになったのです。
その作用というのは、
主に免疫系に作用して、
気道の粘液や水分を抑制したり、
白血球の気道への浸潤を抑えたり、
また緑膿菌という本来マクロライドの効果のない細菌の、
増殖を妨害するような作用があるともされています。
要するにマクロライドという物質には、
細菌が人間の身体に定着するのを、
抑えるような働きがあるらしいのです。
その後この治療はび慢性汎細気管支炎以外にも、
効果があるのではないか、
と考えが広まり、
現在特に多く使われているのが、
耳鼻科での蓄膿症への使用です。
皆さんの中にも、
多分蓄膿症と言われて、
クラリスとかクラリシッドという薬を、
毎日しばらく飲むように、
と言われた方があると思います。
小さなお子さんの蓄膿にも、
この薬が使われています。
使用する期間は、
通常3ヶ月と、
び慢性汎再気管支炎の場合よりは短期間ですが、
それでも長期使用であることに変わりはなく、
患者さんにお聞きすると、
それ以上の期間使われている方も多いようです。
でも、こうした使用は本当に望ましいものなのでしょうか?
特に小さなお子さんに長期間抗生物質を飲ませて、
それが本当に適切な医療行為と言えるのでしょうか?
何かそのことによる弊害はないのでしょうか?
僕は正直この治療には疑問を持っています。
その第一はまずメカニズム的な問題です。
この治療に効果があるのは、
抗菌作用以外の、
免疫的なメカニズムによる、
と説明されています。
しかし、もしそうであるなら、
その解明されたメカニズムを元に、
新たな薬を作ればいいのではないでしょうか。
不要な抗菌作用なら、
勿論ない方がいい筈です。
たとえば免疫の作用を強化して、
抗菌作用を弱めた薬なら、
そう困難なく作れそうです。
それをせずに抗菌薬に頼っているのは、
如何にも非科学的な態度です。
その第二は耐性菌の増加です。
この治療に積極的な先生は、
治療の前後で耐性菌の出現など、
悪い効果は何もなかった、
と主張しています。
しかし、現実にアジアではマクロライドの耐性菌は、
他の地域より圧倒的に多いのです。
ある研究によると、
肺炎球菌という細菌の、
マクロライドに対する耐性菌の割合は、
欧米では50パーセント以下であるのに対して、
日本では80パーセントを超えています。
それもこの治療法が普及してから、
激増しているのです。
この事実がありながら、
治療とは無関係だという理屈には無理があります。
百日咳やマイコプラズマ、クラミジアやリケッツィア、
更にはピロリ菌の除菌など、
マクロライドが不可欠の感染症は沢山あります。
耐性菌が殆どだということは、
こうした病気に対しての、
治療が制限されるということです。
幾ら効果があるからと言って、
このような弊害を残しては、
却ってマイナスの方が多いのではないでしょうか。
通常海外では常識の治療が、
日本では行なわれていない、という言い方を、
多くの専門家はしていますよね。
しかし、このマクロライド治療は、
日本でしか殆ど行なわれていないのです。
び慢性汎細気管支炎は日本以外にはあまりない病気ですが、
蓄膿は世界中にある病気です。
しかし、海外ではこんな治療は殆ど行なわれていません。
それで困ったという話も聞きません。
僕は現時点ではマクロライドの、
び慢性汎細気管支炎以外の、
少量持続療法には反対です。
作用の根拠が曖昧なのに、
漫然と使用され、
多くの弊害をもたらしている可能性があるからです。
もし言われているような素晴らしい免疫作用があるならば、
それに特化した薬を、
是非開発するべきです。
しかし、15年経ってもそんな新薬の痕跡すらない、
という事実が、
僕には真実を指し示しているという気がしてなりません。
今日は日本のみで行なわれている、
特殊な治療の話でした。
それでは今日はこのくらいで。
今日が皆さんにとっていい日でありますように。
石原がお送りしました。
この記事へのコメント
大分前に書かれた記事を拝見しました。
子どもが小学高学年の時に、期間をおいて2回、マクロライド少量療法をしました。
抗生物質の長期投与ということで副作用が心配でしたが、結局、1回につき3か月間飲み、症状はよくなりました。
今回書いておられる以外にも、将来的に免疫系等の恐い副作用が起こる可能性はありますか?
大分以前の記事ですが、
ちょっと扇情的な記載だったように思います。
僕は今でもこの治療は嫌いですが、
3ヶ月程度の使用で、
大きなご心配は要らないと思います。
問題はむしろ、
有用性のあるマクロライド系の抗生物質の、
耐性を増やして使い辛くしているという、
その大局的な見地にあるように思います。
び慢性汎細気管支炎以外の疾患で、すでに2年近く、この療法を行っている者ですが、最近、婦人科系統に、真菌が増殖し始めて困っております。
マクロライド系抗生剤は、少量でも、細菌の殺菌効果があるのでしょうか。
一応、主治医からは、マクロライド系抗生剤の免疫抑制作用や抗炎症作用などを利用していると伺っております。
コメントありがとうございます。
確かに免疫の調整作用や抗炎症作用が、
マクロライドにあることは事実と思いますが、
中途半端な抗菌作用が同時にある、
ということが問題で、
推奨される先生は、
耐性誘導はないと言われますが、
現実に日本における耐性率は非常に高く、
その1つの要因となっている可能性は、
高いように思います。
真菌の感染とは無関係と言い切れず、
その点については、
主治医の先生と、
良くご相談を頂くのが良いと思います。
おまけにこれ以降、同時服用の去痰薬やなぜかペニシリン系の抗生剤など、これまで全く無かった副作用が出て飲めなくなりました。またもっと強いマクロライド系やセフェム系抗生剤等これまではかなり効果が感じられた物でさえ、効きが悪いと感じるようになりました。
強い薬を使ってすぐ治すと免疫がつかない、安静休養が足りないからだと批判する医師もいますが、家でじっとしてても大抵子供は悪くなるし、私は良くなりません。先生の記事を読んで合点が行きましたし、今ははじめから強めの薬を飲んでこまめに薬を切りかえるか、すぱっと止める医師にかかっており、その方が症状も取れるし再発も少ないです。
もちろん個々のケースなので、一概にこれとはいえないと思っています。しかし今後重い感染症になったらどうなるのかとか、子供は大丈夫かなどと耐性菌に関して一抹の不安はぬぐえません。
コメントありがとうございます。
少なくとも今の安易な処方の環境は、
問題のように思います。
これからもよろしくお願いします。
ピロリ除菌をした際、一次除菌に失敗しました。
今回、風邪をひき、喉、気管、鼻がやられております。
すぐにサワシリンをのんだので黄色い痰がでたのは一日でしたが、鼻ががひどくなり頭もぼーっとしています。
そこで、手持ちの薬がなくなり、クリニックに行ったところ、喘息があるのでそれも考えたのか、クラリスを処方されました。
よく考えたら、除菌に失敗したのでクラリスに耐性があるのでは?!と思いました。
そうすると、今のんでも意味がないのでしょうか
耐性というのは、
あくまでピロリ菌についてのものですから、
必ずしも今のご病状に対して、
効果がないとは言えないと思います。
現在、子供(小2)の副鼻腔炎の治療をしていまして、いろいろ
調べていたらこちらの記事にたどり着きました。
1ヶ月半ほどクラリスを服用しているのですが、いまだに黄色~
緑色の痰が出ていて、症状が変わらずに困っています・・・
期間がまだ短いからでしょうか?
抗生剤を3カ月ということに驚き、またそんなに飲んでいいもの
なのかとても不安に思っています。
しかも、この1ヶ月半の間に熱も2回ほど出ていてこのクラリスが
効いていないような気がします。
現在も全然本調子ではなく、だるい・頭痛・目のあたりが痛いと
いう症状があります。
それならば飲まないほうがよいのか、、、
抗生剤をやめたらどうなりますか?
自然治癒は無理なのでしょうか?
子供は自分で痰を切れないので、気管支炎や肺炎になりやすい
といいます。
事実、最初の頃気管支炎になってしまいました。
また、この長期治療に適正な量はどのくらいなのでしょうか?
子供の体重は20kgですが、普通の量が出ているように思います。
どうぞよろしくお願いします。
お子さんへのマクロライド少量療法の、
用量については、
あまり明確な基準はないように思います。
お子さんでのその効果についての、
きちんとした研究も、
あまりされていないように思いますが、
これはきちんと確認したものではありませんので、
また調べてみます。
少しお待ち下さい。
20キロでの治療量は、
概ね1日200mgくらいになり、
その半量程度の使用が、
大人の例から考えると妥当と思いますが、
200mg程度をそのまま使用しているケースも、
あるように思います。
海外でもこうした治療をされている先生はいますが、
その場合も量はまちまちです。
治療量をそのまま使っているケースもあれば、
半量に減らしているケースもあり、
使用期間もまちまちです。
個人的には、
副鼻腔炎の治療に、
マクロライド少量療法以外の、
治療がない、というようなことはないので、
1ヶ月半の使用で効果がないとすれば、
一旦中止してみることを、
主治医の先生にご相談頂いても、
良いように思います。
結局、症状がほとんど変わらない為、一度中止することに
しました。
量も普通量が処方されているようです。
明確な基準もないとのことなので、他の治療を主治医と
相談してみることにしますが他の治療はどういった治療が
あるのでしょうか?
鼻づまり・鼻の不快感のため勉強にも影響が出てきている
ようです。一日中鼻が不快で口をあけていますし、頭痛や
目の周りが痛いと訴えることが多いです・・・
調剤薬局で薬剤師をしております。
私もクラリスロマイシンの少量療法に疑問を感じております。
先生は慢性副鼻腔炎に対して、ファーストチョイスはいかがなさっていますか。また、特に効果を感じている治療法はありますでしょうか。差支えなければ、教えていただきたいです。
お願いします。
仮に細菌感染が原因と考えた場合、
クラバモックスが第一選択と考えます。
ただ、悪化時にアジスロマイシンで経過を見ることは、
実際には結構あります。
治療をしようと思っていたところこちらにたどり着きました。
マクロライド療法が良いのかと思っていたのですが、副作用や効果があまり無いと言われていることを考えると他の治療法のほうが良いのでしょうか?
他にもっとよい治療法があればお教え頂ければ幸いです。
もし他に無く、マクロライドをすることになった場合はクラバモックスと言う抗生物質を一ヵ月半ほど試してみて膿が鼻うがいの器具を使っても全くでなくなったら終了すればよろしいのでしょうか?
また、三ヶ月ほど飲むのは、大きな問題はないと思うが決してよろしくないと記載があるので、二ヶ月位を限度にしてそれで治らなければマクロライドは止めて終了したほうが良いと言うことでよろしいでしょうか?
普段は口の蓄膿のにおいに悩む程度で、水蒸気の鼻うがいをして膿を採れば問題ないくらいなのですが、体調が悪くなるとだるくて疲れてしまって、二ヶ月ほど仕事になりません。
そのときだけ病院に行って鼻を洗浄、抗生物質いがいの薬をのんだりすれば良いのでしょうか?
30代の男です。
お忙しい中大変恐縮ですが教えてください。
クラバモックスはペニシリン系の抗生物質なので、
マクロライドではありません。
クラリスの間違いでしょうか?
効果があれば半年の使用でも問題はないと思いますので、
まずは2か月限定で、
効果を試してみるのが良いかも知れません。
手術治療などの適否は、
耳鼻科的な検討が必要ですので、
副鼻腔炎の広がりなど、
一度はチェックをした上で、
対応を検討された方が良いように思います。
記事に書きましたように、
マクロライド少量持続療法には、
多くの問題があるのですが、
それではそれに代わる画期的な方法があるかと言うと、
残念ながら現時点ではないように思います。
漢方薬が症状のコントロールに有効なケースはありますので、
一度お試し頂くのは良いかも知れません。
間違いがありすいませんでした。
クラリスなどの抗生物質を半年位使っても耐性菌などの問題が起こる可能性は少ないのですね。
つまり副鼻腔炎のために半年くらいマクロライドを行うことはたいしたリスクはないと考えてよいのですね。
行う場合まず二ヶ月行い、どのようになれば効いている、やめても良いと判断するのでしょうか?
また、良い漢方があれば名前を教えて頂ければ幸いです。
その場合、微熱や倦怠感などとても悪くなったときに飲めばよいのでしょうか?
それともずっと飲み続けるのでしょうか?
お忙しい中大変恐縮ですが、お時間のある時に教えて頂ければ幸いです。
ポリフェノールの粘膜症状への効果について、
私の知る限りあまりしっかりとした検証は、
ないように思います。
抗生物質の使用で無菌状態になる、
ということはありませんから、
菌交代は当然起こります。
ただ、エリスロマイシン少量持続の場合は、
全身的にはそれは大きな問題にならない、
というのが処方の根拠だと思います。
有用性があれば感染のコントロール目的で、
使用は継続された方が良いと考えますが、
耐性菌の問題については、
主治医の先生にも一度確認をされた方が、
良いように思います。
私の場合薬がよく効いているようで、今では健康な人と全く変わらない生活をしています。
咳も痰もほとんど出ませんし、鼻詰まりも完全に治まり臭いもよく感じます。半年に一度CTや肺機能テストなどをしてもらいますが、経過は正常、肺の一部にわずかに炎症が残っていると言われるくらいです。
普段全く症状がないため、抗生剤をこれからもずっと飲み続ける事への不安が最近は大きくなり、このことでむしろ他の病気を併発するのではないかとか、いつかは効かなくなるのではないかと思い悩む事もしばしばです。しかし止めてしまったらか、また悪くなってしまうような気もして飲み続けているといった次第です。
先生には止めたらいけないと言われるので、この薬のおかげで今の生活が送れているんだと思う事にしていますが、やはり先生のお立場からでも、このまま飲み続けた方がいいとお思いでしょうか?
どうぞよろしくお願いいたします。
びまん性汎細気管支炎の場合には、
長期の継続が望ましいとされていると思います。
個人的には半年以上状態が安定していれば、
一旦中止してご様子を見るのも、
1つの選択肢と思いますが、
そのしっかりとした根拠を、
持ち合わせている訳ではなく、
判断は非常に難しいところかと思います。
継続と中断とで、
経過を観察するような試験は、
あまりこれまで施行されたことはないように思います。
一度先生としっかりと相談してみたいと思います。
それとも、様子をみれる病気なのでしょうか?
以前、書かれている先生のオゼックスのご意見拝読致しました。10歳ならばマクロライドが効かない場合に服用は仕方ないことでしょうか?他に方法があれば是非教えて下さい。
大変ご多忙なところ申し訳ございませんが是非ご意見伺いたいのです。宜しお願い致します。
読みやすい文章で頭にすっとはいってきて納得いたしました。
エリスロマイシンの副作用の、細菌の増殖を抑える為に
タンパク質ができないようにする、というのについて、伺いたいのですが。
5錠程しか飲んでない段階で網膜剥離をおこしました。
関係ないと思いますが、目のタンパク質がすくないと網膜が薄い近眼の人は起こしやすいと言われ、気になっています。
もともと血中のタンパク質が他の病気で少ない体質です。
ちょっとしか飲んでないのですがでかけて疲れた時に網膜剥離になったのは疲労でタンパク質が減ったり、もともとタンパク質が少ないところに薬が加わったからかもと思いちょっと飲み続けてますが二カ月服用なので不安です。
副作用に結膜炎が起きるというのがあるのを主治医に聞いてみたら、網膜剥離は副作用に書いてないということですが。
また、あまりに効果が早くて驚いています。
気管支拡張症ですが咳も痰もでませんでしたが、
1年ほど前から朝起きたら咳がちょっとでていて、一度血痰がでて病院に分析してもらいましたら、MAC症の菌がでたので、エリスロマイシンを2週間ほど飲んだら気がついたら咳がでなくなっていて
まさかもう薬が効いたのではと思い驚いています。
元から咳は一日5回位しかでておらず痰も出ないのでそんなに変わらないのですが。
そんなに効くのなら目のタンパク質が少なくなるのではー
また網膜剥離にならないのだろうかとわからないので考えてしまいます。また体にとっての良い菌ができにくくなって免疫力が落ちそうな気もします。リンパの流れが悪いので免疫力を腸内細菌を育てて強くしようと努力していますが、せっかく便秘体質が良くなっているのに腸内フローラがまた壊れそうで。
さて、総合内科専門医試験の準備のため、内科学会が出している「生涯教育のためのセルフトレーニング問題と解説 第3集」を解いておりましたところ、呼吸器の問題140番に「COPDの増悪抑制効果のある薬物はどれか?」という問題があり、2011年のNEJMにあるエビデンスが解説されていました。
先生のご意見・ご感想をお聞かせいただけると幸いです。
それについては、
http://blog.so-net.ne.jp/rokushin/2011-08-29
に記事にしています。
ご一読頂ければと思います。
なお、ブログ内を「ジスロマック」で検索していただくと、
それ以外にも複数の関連の論文をご紹介しています。
却って混乱されるかも知れませんが、
この問題は色々な視点がある、
ということを、ご理解頂ければと思います。
シンプルに言えば、
呼吸器の先生は概ね肯定的で、
感染症や循環器の先生は、
やや否定的ではないかと思います。
試験頑張って下さい!
文面から推測する範囲では、
エリスロシンの有効性はあるようですので、
矢張り継続が望ましいように思います。
ただ、同じマクロライドで、
クラリスロマイシンなど、
別の薬に変更する選択肢もあると思います。
溶連菌に他の薬を併用してからの体調不良であれば、
その抗生物質が合わなかった可能性もあるのではないでしょうか。
また、他の薬剤を使用している短期間に限り、
エリスロシンを中止しても大きな問題はないと思います。
いずれにしても、
もう一度よく主治医の先生とご相談をされるのが良いと思います。